豆と偽ってベトナム産のコメを密輸か。東大阪市の夫婦が逮捕されました。
関税法違反などの疑いで逮捕されたのは、東大阪市に住むベトナム国籍で輸入販売会社経営のチャン・ティ・トゥ・フェン容疑者(36)と、夫の武重智之容疑者(47)です。警察によりますと、チャン容疑者らは今年6月、ベトナムからコメ約45tを密輸しようとした疑いなどが持たれています。
また、有害な病害虫が残っていないかを確認するために行う植物防疫検査を受けていなかった疑いも持たれていますが、押収されたコメを見ると小さな虫が。チャン容疑者らは、コンテナ船を使っていたということですが、ベトナムの公的機関が発行する検査証明書には「緑豆」と記載されていました。今回は、大阪税関の職員による輸入貨物検査で発覚しましたが、コメの密輸に関する大規模な摘発は全国初とみられます。
(捜査関係者)「日本米と偽って販売していたのではないか」
事件の背景にあるとみられているのは「令和のコメ騒動」です。警察は、チャン容疑者らが日本でのコメ価格高騰につけこみ、ベトナムから持ち込んだコメを「日本産」として流通させていたとみています。
ベトナム産のコメとは一体どんなコメなのか。正規に輸入を行っている広島の卸会社に話を聞くと…
(大堀システム 田中康弘社長)「こちらが輸入されたベトナム米の一部のパレットになります。ジャポニカ米の中の『DS1』という種類になります」
この会社が輸入しているのはベトナム産の「ジャポニカ米」。中身を見せてもらうと…
(記者)「日本米とあまり変わらないですね」
(大堀システム 田中康弘社長)「そうですね、違いが多分わからないかと。粒感もしっかり。ベトナムでこれをいただいたときに、日本のお米と違いが、私自身は分からないくらい、同じように感じました」
見た目も味も日本米と遜色はないということで、「コメが足りない」という取引先からの要望に答えて、今年の春から業務用として輸入を始め、いまでは全国の販売店に卸しているといいます。
(大堀システム 田中康弘社長)「お客様は、一番は供給の安定化(を求めている)。価格の高騰も当然あるんですけれども、コメが安いという形で導入されるのではなくて、コメが安定的に調達できるという面では評価されています」
コメの輸入には厳しい検査が設けられています。主に、有害な病害虫が残っていないかを確認する「植物防疫検査」、残留農薬の有無などを確認する「食品検査」、そして「遺伝子組み換え検査」の3つの検査に合格することが必要で、しかも1kgあたり341円という高い関税がかけられています。
(株式会社大堀 田中康弘社長)「コメの販売価格の構成の中で、ほとんどが関税の部分になるので、関税がなければ安く販売できますし、今の価格で販売させてもらえるのであれば、関税の部分の利益は大きいものになる」
逮捕されたチャン容疑者らはこの高い関税を逃れるために、緑豆と偽って密輸しようとしたとみられています。今回は税関の検査で見つかりましたが、密輸を防ぐのは難しいと話す業者も。
(メイク 国際物流事業部 石原高陽部長)「税関の基本的な水際対策というのは、麻薬・武器、この辺がメインになるので、お米(の密輸)がというのは、あまりないと思いますね。輸入者の言動対応に怪しいところがあったとか、あるいは外国人の経営する会社とか、あまり輸入実績がないとか、いろんな形で不審に思うようなケースがあれば、(密輸を)見つけることはできなくはないのかなとは思いますね」
逮捕前の任意の取り調べに対し、「コメが入っていたとは知らなかった」と話していたというチャン容疑者ら。警察は、すでに密輸されたコメもあるとみて販売ルートを捜査しています。
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