サングラスの着用を認める動き
このように、多くの事業者はサングラスを容認していませんでした。そのなかで今年の夏から、宅配便大手の佐川急便がドライバーのサングラス着用を可能とする運用を始めました。
制度を導入した理由を、佐川急便・人事部の関口さんに聞きました。

佐川急便・関口さん
「屋外で作業する従業員の皆さんにとって、紫外線とか強い日差しを浴びる業務時の危険のリスクとか、あとは健康被害のリスク、こちらはすごく高いかなというところを前提として考えておりました。
やはり特に長時間日差しを浴びることで、目の疲れとかストレスとか、あとは夏は熱中症リスクを高める要因といわれていますし、従業員一人ひとりの特性というか、体質は異なるので、従業員の多様性に対応した働きやすさの促進というところを考えた上で特に日差しが強くなると今回言われていた6月1日に改定をさせていただきました」
紫外線は、長時間浴びることで白内障や角膜炎などの眼の疾患のリスクを高めることが知られていて、特に屋外での仕事においては、目の保護が重要です。
現場のドライバーからは「目や肌が弱い従業員への配慮がなされて好評だ」といった好意的な意見があるそうです。
加えて、この運用が始まったこの3か月間で、ドライバーからは健康被害のリスク「以外」についてもこのような反応もあったそうです。再び、関口さんのお話しです。
佐川急便・関口さん
「一番はやはり『眩しさが軽減された』という声が特に多かったです。
運転中にやはり眩しさを感じることが多々これまでもありましたので、安全性の確保というところが一番大きい声ではあったかなというふうに捉えております」
労働問題に詳しいライターの橋本さんも「トラックはフロントガラスが広いのでどの位置からでも陽射しが入り、ダイレクトに日光を浴びてしまう」と話していました。
ほかの運送会社では、ヤマト運輸もこの9月から運転業務中のドライバーのサングラス着用をはじめました。
こうした取り組みについて「大手の会社から業界を変えるようなアクションをしていることはとても意義があって、中小の運送会社も続きやすくなる」とライターの橋本さんも評価していました。