南シナ海のスカボロー礁に自然保護区を設置すると発表した中国の動向について、フィリピン軍の参謀総長は「中国が構造物の建設を始めれば事態は一変する」として、新たな軍事拠点化への強い警戒感を示しました。

南シナ海のスカボロー礁はフィリピンの排他的経済水域の内側にあるものの、中国が実効支配を続けていて、先月には中国政府が自然保護区の設置を発表。周辺の海域では中国海警局の船がフィリピン船に放水を繰り返すなど、領有権をめぐる両国の対立が深まっています。

こうしたなか、フィリピン軍トップのブラウナー参謀総長は3日、海外メディア向けの会見で、中国がこれまでに南シナ海で複数の岩礁を埋め立て、軍用の航空基地などを備えた人工島を建設したと強調しました。そのうえで、「中国がスカボロー礁で構造物の建設を始めれば事態は一変する」として、新たな軍事拠点化への強い警戒感を示しました。

フィリピン側の対応については、「外交的にとるべき選択肢はいくつかある」と述べ、軍としては「状況を注視する」としています。