来年度から国が実施する予定の、水俣病に関する住民健康調査について、環境省は、熊本県天草市と上天草市で、先行して10月から実施することを明らかにしました。
不知火海沿岸地域に住む人の健康調査をめぐっては、2009年に成立した「水俣病特別措置法」で定められているものの、これまで実施されていません。
10月から始まる試験的な調査は、天草市と上天草市の1975年以前に生まれた人で40人を対象に行われます。
調査は1泊2日で、参加者は熊本大学病院で問診や診察を、水俣市立総合医療センターで検査を受けるということです。

今回、天草市と上天草市を選んだ理由について、環境省は「診察や検査に要する時間や移動時間が参加者に与える負担を確認するため、調査会場から遠い2市を選んだ」としています。
なお、調査に関して環境省は「脳磁計」と「MRI」を組み合わせた手法を採用する方針ですが、団体側は「時間がかかる手法で大規模な調査に向いておらず、地域住民の健康不安にこたえる調査にならない」と調査手法の変更を求めています。