地域で活動する「がん対策推進員」等を対象とした研修会が9月24日、富山県の上市町保健福祉総合センター(つるぎふれあい館)で開催されました。研修会は、富山県中部厚生センターと上市町ヘルスボランティア協議会、上市町の主催で開かれました。
9月24日午後2時から午後3時30分まで開かれた研修会では、上市町内のがん対策推進員やヘルスボランティア、食生活改善推進員、母子保健推進員、一般市民などが参加しました。
この研修会は、市町村が養成しているがん対策推進員を対象に、科学的根拠に基づく知識の付与や推進員同士の情報交換を通じて、草の根からの「正しい知識の普及」を図るものです。
この日は、開会の挨拶に続き、かみいち総合病院院長の佐藤幸浩氏が「地域で取り組む大腸がん―予防と早期発見―」と題して講演を行いました。
佐藤院長は、日本の大腸がん検診受診率は約40~50%程度であり、欧米の約70%以上と比較して低い水準にとどまっていると指摘しました。
そのうえで、大腸がんの現状や検診の重要性について語り「症状が出る頃には進行していることが多い」と早期発見の必要性を強調しました。

また、便潜血検査陽性の場合は必ず精密検査を受けるよう呼びかけました。
続いて、がんサバイバーでオストメイトの篠﨑絵美さんが「体験談~転移性直腸がんに罹患して~」と題して講演を行いました。
篠﨑さんは自身の経験を語るなかで、がん患者や家族が「ワクワクしながらやりたいことをやる」「人生を輝かせる」ことの重要性を呼びかけました。また、経験者だからこそ話せるがん対策の啓発に尽くしたいと話していました。
研修会では、住民に寄り添い正しい情報を伝えること、検診受診率向上への働きかけ、生活習慣の改善の啓発などの重要性が改めて確認されました。
