北海道北広島市の生活困窮者向けの宿泊施設に放火し、男女2人を焼死させたとして、放火と殺人の罪に問われている元入所者の70歳の男が一審で無罪を言い渡された裁判で、札幌地検は10月1日、判決を不服として控訴しました。
この裁判は、元入所者の70歳の男が2022年9月、北広島市の生活困窮者向け宿泊施設に火を放ち、管理人ら男女2人を殺害した罪に問われているものです。
札幌地裁で開かれた裁判員裁判では、刑事責任能力の有無が争点となり、検察は懲役30年を求刑。
弁護側は、心神喪失状態で責任能力がなかったとして無罪を主張していました。
9月17日の判決で、札幌地裁は「善悪に従って判断する能力や自身をコントロールする能力を失っていた疑いが残る」と指摘。心神喪失だったと認定し、無罪を言い渡していました。
札幌地検は10月1日、この判決を不服として控訴しました。
元入所者の男は、一審で判決を言い渡された後、「おかしい、2人の命を奪っているんですよ」と言いながら被告人席に戻っていました。