
演技の前に力をくれたのは、大会には必ず持っていくという母・美佳さんが作ってくれたお守りのマスコットです。
「こういうふうに握って、できる!みたいな感じで。強い気持ちを」
36チームが出場する中、1種目めの「リボン」で3位につけた日本は、花村さんの出場した「ボール・フープ」で全体トップの高得点をマーク。
日本・新体操史上初の、金メダル。歴史的快挙となりました。
地元クラブの仲間たちは――
小学6年唐澤結愛さん:「金メダルを見せてくれて、自分ももっと上手になりたいなと思いました」
中学2年松下葵さん:「1つ1つ動きが大きくて、すごい魅せようっていう思いが伝わってきて、素晴らしいなって」

幼少期から指導 鈴木あおいコーチ:「すごく大人しい子なんですけど、基本的には。それでもフロアに立った時の華やかさや堂々とする感じは小さいころから持っていたので」
3歳で新体操を始め、小学3年生から本格的に競技に取り組んできた花村さん。
中学3年だった2023年には、ジュニア年代の国際大会にも出場しました。

花村夏実選手(当時中3):「たくさんの国際大会に出場して、メダルをいただくことが目標です」
初々しい表情で語っていた「夢」。ただその、わずか1年後――
去年9月、フェアリージャパンのトライアウトに挑戦すると、およそ3か月間の合宿をへて16歳で正式にメンバーに選出。それからは親元を離れ単身東京で、代表の練習に打ち込んできました。
花村夏実選手:「練習が始まる1時間前に体育館に行って、ストレッチだったり補強を入れてから全体のトレーニングに入って、(練習は)大体8時間ぐらいです。世界選手権前だとすごい練習を積んでいたので、1日12時間、体育館にいたりとかもあったので、それは自分たちでもびっくりでした。ちょっときついなって思ったりはするんですけど、でも、自分がもっと上に行くために頑張っているって思えば、いくらでもやりたいなっていうふうに思ってるので、フェアリーに入ってから新体操が好きっていう気持ちは増してきています」

現在、花村さんは松本国際高校の2年生。
フェアリージャパンの活動中は、学校から課題を送ってもらい練習の合間に自習する形でしたが、世界選手権が終わりこの1か月間は久しぶりに、仲間と学校生活を送りました。

花村夏実選手:「普段座っていることが少ないのでちょっときついんですけど、友だちとしゃべったり普通に授業受けるのが、すごく久しぶりだったので毎日楽しいです」
クラスメイトとの何気ない時間が、花村さんにとっては特別です。

クラスメイトは:「(金メダル)見せてもらいました。金メダルとか見たことなかったから、本当に、持ってみてすごいなぁって」
クラスメイトは:「かっこいいじゃないですか、新体操は。でも、(学校で)見るとかわいい。けっこう静かで、真面目なかんじ」
クラスメイトは:「ギャップがあってすごく応援したくなりました。(なかなか会えない?)会えないんですけど、会った時に楽しいのでこれからも仲良くします!」
友人や家族と過ごし、気持ちをリフレッシュした1か月。一方で、次なる目標に向けて動き出していました。