おととし、発がん性が指摘されている有機フッ素化合物=PFASが高濃度で検出された岡山県吉備中央町で、汚染物質の浄化に向けた取り組みが進んでいます。

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PFASの濃度低減に向けた実証実験に使う土の掘削作業がきょう(30日)、始まりました。実験は、土や水に含まれるPFASの濃度を下げる技術を検証しようと、環境省が今月(9月)19日から行っているものです。

公募で選ばれた8つの業者が、それぞれの技術を使って汚染物質の浄化に取り組みます。おととし、吉備中央町の円城浄水場で検出された、PFAS。これまでの岡山県の調査で、発生源は浄水場の水源となるダムの上流に置かれていた使用済みの活性炭である可能性が高いことが分かっています。

(平松咲季記者)
「実証実験には、その活性炭が置かれていた場所の土が使われます。今、1袋1トンにも及ぶ土が、次々と運び出されています」

発生元とされる場所できょう始まったのは、実験に使うための土を掘り出す作業。11月上旬までに、PFASが特に高い濃度で含まれる土、約700立方メートルを運び出す計画です。その後、各業者の試験場で、土の浄化に向け、高温での加熱や含まれる粒子の洗浄といった技術が試される予定で、PFASの浄化技術の確立を目指すということです。

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(鴻池組・環境エンジニアリング本部 小山孝環境企画部長)
「この地域の環境保全に貢献できればと考えています。まずは安全第一で掘削作業を進めてまいりたい」

実証実験の結果は、来年1月末に環境省に提出され、来年度以降に一般向けに公表される予定だということです。

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