専門家「政治活動での『ステマ行為』は世論操作が起きかねない」

井上貴博キャスター:
総裁公選規程(選挙運動等)第十二条2には「何人も、選挙の清潔、明朗及び公正を害する行為を行ってはならない」と書かれています。
今回のステマ問題は、公正さを欠いているということは間違いありません。

TBSスペシャルコメンテーターの星浩氏は「依頼したのが元デジタル担当大臣だった事が深刻。“小泉人気は作られたものなのでは?”という疑惑すら生まれる。この手法が“自民党全体でも使われていたのでは”という疑いも出てくる」と指摘します。
出水麻衣キャスター:
野党はどのように考えているのでしょうか。

立憲民主党 野田佳彦 代表
「何となく無かったことにしようという空気が、今出てきていますね。自民党全体にマイナスだから。『解党的出直し』と言っているんだったら、ネットの活用についておかしな点、不適切な点があるんだったら、それをきちんと改革するようにしていかなければいけないのではないか」
立憲民主党の野田代表は28日、この問題の扱いについて、小泉陣営に限定するのではなく、自民党に実態を調査するよう求めました。

また、国民民主党の玉木代表も自身のXで、「国政選挙でも自民党はステマを行っているのではないかと疑わざるを得なくなる。他党や他党の候補にも同様の工作を行っていても不思議ではない」と指摘しています。
出水キャスター:
実際、どのような工作が依頼されていたのでしょうか。

“やらせ投稿”を書き込むよう要請していた牧島事務所が送ったメールの冒頭には、「ネガティブコメント一色になると、ネガティブで埋もれてしまいますので、ポジティブなご意見を【早い段階から】コメントしていただけると幸いです!」と書かれています。

小泉陣営にプラスになるように働きかけたかったということだと思いますが、リスク管理に詳しい桜美林大学の西山守准教授は、「政治活動における『ステマ行為』は世論操作が起きかねない。世論誘導は有権者の権利にマイナスで民意を損なう問題行為だ」としています。
井上キャスター:
テレビももちろん民間企業が、ステルスマーケティングに大変厳しい中で、「自民党はこういう認識なんだ」と本当に愕然としました。