28日に千秋楽を迎えた大相撲秋場所で、新潟県立海洋高校出身の横綱・大の里が、同じく横綱の豊昇龍との大一番を制し横綱昇進後初となる優勝を飾りました。
千秋楽を13勝1敗の単独トップで迎えた大の里は、結びの一番で星1つ差の豊昇龍 に押し出しで敗れ、共に13勝2敗の優勝決定戦へ。
どちらが勝っても横綱昇進後初の優勝となります。

16年ぶりとなる横綱同士の優勝決定戦では、激しくぶつかった後、寄り倒しで大の里が勝利。見事、優勝を果たしました。
大の里の優勝は5度目で、横綱昇進以来初めてです。

海洋高校のある糸魚川市に設けられたパブリックビューイングの会場には、地元の人たちおよそ150人が集まり、大の里優勝の瞬間を見守りました。

「大の里、海洋高校、バンザーイ!」
「糸魚川能生にゆかりのある大の里が活躍している姿をみて元気をもらいました」
会場には、大の里が過ごした寮『かにや旅館』の寮母・田海恵津子さんの姿も…。
「心臓破けそうです。勝てて良かった」

大の里の後輩である海洋高校の相撲部員たちも喜びを分かち合います。
「自分の相撲をとれていたのですごいと思いました」
「横綱を見習って、どんな状況でも自分の相撲をとれるように頑張りたい」

優勝から一夜明けた29日、大の里は茨城県の二所ノ関部屋で千秋楽の優勝決定戦をこう振り返りました。

「師匠からは『淡々と行きなさい』ということを14日目の挨拶行ったときに言われていて…。1回負けてその言葉の意味が染みて、“淡々”という言葉を自分の中で言い聞かせて優勝決定戦に挑むことができた」
さらに会見で、今後の目標を聞かれた大の里は
「最高位の番付ということを自分で自覚して、しっかりとまた九州場所も気を引き締めて頑張っていきたいと思います」
と改めて決意を述べていました。

日本出身の横綱として1997年の貴乃花以来28年ぶりとなる1年に3回の優勝を飾った大の里。さらなる躍進が期待されます。