中央道・笹子トンネルの天井版崩落事故をきっかけに交通インフラの老朽化がクローズアップされました。

橋やトンネルなどの山梨県内のインフラは、修繕が追いついていないことが課題になっています。


北杜市役所 道路河川課 藤原正樹さん:
6年前の点検で川の流れによって根が洗われて(橋脚の周辺が削られて)しまっているのが発見された場所です。


北杜市須玉町の境橋です。6年前の点検で表面のひび割れなどが見つかりました。


笹子トンネルの事故が契機になって、道路法の一部が改正され全てのトンネルや橋などは5年に1度、間近でチェックする点検が義務付けられました。


このうち北杜市は2018年度までに市内474の橋を点検したところ、境橋を含む19の橋が早急な修繕が必要と判断されました。しかし…


北杜市 道路河川課 由井克光課長:
9橋が未だ手つかずで、今(修繕の)設計をやっている。予算的にも橋梁の修繕となると莫大なお金がかかる。補助金半分いただいてもなかなか順調にいかないのが現状。


橋の点検にかかった費用は5年間でおよそ3億円。


さらに修繕を行う場合、1つの橋で最大1億円前後が必要になります。


膨大な費用に加え、専門の技術職員がいないことも修繕が進まない背景にあります。


北杜市 道路河川課 由井克光課長:
どうしても(修繕が)間に合わないのが一番のネックで、業者とも打ち合わせをしながら優先順位の高い順に順次改修を進めていきたい。


インフラの維持管理に詳しい専門家は財政支援や最新技術を導入した業務の効率化が必要と訴えます。


山梨大学 地域防災センター 斉藤成彦センター長:
小規模な自治体ほど財政面の課題、技術者人材の不足が問題になっていることで修繕の着手が比較的遅れている。優先順位をつけるための判断の精度を上げるためにも新しい技術を投入して精度を上げていくことが必要。