山梨県にある中央道・笹子トンネルで天井版が崩落し、通行してた車に乗っていた9人が亡くなった事故。

なぜこのような事故が起き、責任は誰にあるのか?

遺族は事故から10年が経った今も答えを求め続けています。

娘の友梨さんを亡くした石川信一さん:
長くもあり短くもあり無我夢中の10年。日常の生活と非日常の生活を行ったり来たり歩まざるを得なかった。


10年前、28歳で亡くなった石川友梨さんの両親、信一さんと佳子さんです。


友梨さんは一緒に暮らしていたシェアハウスのメンバーと一緒に山梨市の温泉を訪れ、東京に戻る途中…事故に巻き込まれました。


焼け焦げつぶれたワゴン車。友梨さんらが乗っていた車です。


中日本高速道路八王子支社にある社員用の研修施設に遺品とともに提供されていますが…


佳子さん:
この鍵は友梨が事故当時持っていたものなんですけど自宅のカギとおうちのカギとか会社のカギかなと思うんですけどこれだけは手放せなくて持っています。友梨ちゃん帰って来るかもしれないなぁと思って。


10年が経った今も心のどこかで受け入れられない娘の死。


信一さんはこの10年間の出来事を手帳に残してきました。


信一さん:
娘の事件があってからは記憶が薄れていってはいけないし、確認の意味でも残さなければということで2012年からずっと今日に至るまで残しています


あの日に記されていたのは…


信一さん:
気持ちの乱れがそのままねもともときれいな字ではないですけれど精神的にもだいぶ傷んでたんだと思います冷静には記述できなかったですね。


国の調査ではトンネルの設計や施工、点検など複合的な要因が事故につながったと結論付けています。


しかし、なぜそのような状況になったのか。責任は誰にあるのか。


遺族は今もその答えを求め続けています。


信一さん:
事故ですけど怠慢による崩落ですので、やるべきことをやっていれば絶対に落ちなかったはずです。私たちが納得するまで懲りずに訴え続けますし、命尽きるまで真相を語っていただける人が一人でも見出したいというのが私の気持ちです。


佳子さん:
9人の方々が自分の命に代えて「トンネルは危ないよ、日本のインフラは危ないよ」というのを教えてくれたのが10年前のこの事故だったのだと思う。原因究明を解決してそのうえで今後発展してほしいと思う。