新型コロナ重症化の防止効果が期待されているのが、11月、緊急承認された国産の飲み薬「ゾコーバ」です。専門家は治療の選択肢が増えることに期待感を示す一方で、それだけでは、局面を一変させるゲームチェンジャーにはなりえないと指摘します。
東北医科薬科大学 遠藤史郎病院教授:
「選択肢が一つ増えたという意味では、率直に歓迎はしている」

東北医科薬科大学の遠藤史郎病院教授は、実際に使ってみないと詳しい効果は見えてこないとしつつも、ゾコーバの供給開始に期待感を示します。ゾコーバは、塩野義製薬が開発した国内初の新型コロナ軽症者向けの飲み薬で、11月22日に緊急承認され供給が始まっています。

東北医科薬科大学 遠藤史郎病院教授:
「症状を短くできることと、一番大きいのはウイルス量もだいぶ減らせるというようなデータが出てきている」
一方で、薬の存在がそのままゲームチェンジャーにはなりえないと指摘します。
東北医科薬科大学 遠藤史郎病院教授:
「劇的な変化はもたらさないのではないかと思っている。軽症の人たちは基本的には自宅でゆっくりしていれば治る。症状を1日短くする価値がどれくらいまであるのか」
遠藤病院教授は、状況を大きく変えるためには社会の受け入れ態勢が重要と訴えます。
東北医科薬科大学 遠藤史郎病院教授:
「季節性インフルエンザと同じような扱いができるようになってきて、社会がそれを受け入れてくれるようになってくると、これこそが一番のゲームチェンジャーではないかと思う」