たまご・米・バナナなど“物価の優等生”がついに値上げ…何が起きたのでしょうか?

■冬のたまごは値上がりする?理由はおでん・ケーキ・おせちだけでなくアノ商品の需要高も

南波雅俊キャスター:
まずは代表例の「たまご」から見ていきます。ここ10年間の1キロあたり価格の推移です。10年間で一番高かったのが、2013年の11月で285円です。このときは猛暑で夏にかなり気温が上がったことで、鶏がたまごを産まなかった年です。

そこから上下はありますが、大体200円前後ぐらいで推移してきています。ただ11月30日に280円という値がつきました。値上げの理由は、円安による餌代の高騰と、鳥インフルエンザによる影響などもあるということです。

そしてこの冬、さらに値上がりする可能性があるそうです。たまごは、夏は消費が比較的少なくなり安くなる一方、冬は消費が増えるので高くなる傾向があるからです。

一般社団法人日本養鶏協会に理由を聞きました。
【理由1:おでん】
全国的チェーンのコンビニエンスストアで発売され始めたり、居酒屋やおでんの専門店などが非常に人気になってくる時期。

【理由2:クリスマスケーキ】
ケーキのスポンジはたまごを多く使うので、クリスマスケーキの需要が高まるこの時期は、たまご自体がかなり消費されていきます。

【理由3:おせちの伊達巻】
お正月の定番です。

【理由4:月見系バーガー】
9月から10月に各チェーンで月見系バーガーが発売されることも要因の一つだということです。

■フィリピン政府「バナナ農家の待遇良くして」と値上げ要請

実は日本で一番食べられている果物がバナナ。少し意外な形で値上がりをしています。

ラウレル駐日フィリピン大使が2022年の6月に、「バナナ農家に希望のあるチャンスを与えていただきたい」と、小売業界に異例の値上げ要請を行いました。もっとバナナ農家の待遇を良くしてほしいということです。

そういったこともあって、6月は267円(東京都、1キロあたりの小売価格)。1月の246円と比べると約20円値上がりしました。さらに、11月には279円と値上げをしています。

これに関して、日本バナナ輸入組合は「バナナの99.9%は輸入。円安の影響で値上げは続いていて、値下がりする要因は見当たらない」と話しています。要請があった上に円安の影響もあるので、かなり値段が上がってきているということです。

ホランキャスター:
農家の方々からすると上げたいけれども、上げられない状況ってあるのですか?

オンライン直売所「食べチョク」代表 秋元里奈さん:
スーパーに行くと、必ず生鮮食品のコーナーは手前にあって、野菜が入り口に並んでいる。それだけ訴求力が高い。なので主婦の方々は、なるべく安く買いたい。価格の優等生だからこそ、価格差がすごく大事になっていて、だからこそ小売店も安く出したい。農家さんが高く売りたいとなっても、どうしても「この金額でお願いします。難しければ他の人から買います」となってしまう。なので、なかなか金額を上げづらいのは実情としてあるかなと思いますね。

ホランキャスター:
いいものを作っても、何か価格に転嫁しづらいのも、もどかしい状況ですよね。