長野市の戸隠神社で20日、観光客など11人がキイロスズメバチに刺されました。駆除した業者は「ハチの活動が最も活発になる時期」と警鐘を鳴らします。


記者リポート:「ハチの巣が見つかった木の周辺には、立ち入りを防ぐようパイロンが並べられ、注意を促す看板も設置されている」

20日午後2時半ごろ、長野市の戸隠神社奥社の参道で観光客など11人がハチに刺されました。参道脇のスギの木にあいた穴の中に巣を作っていたといいます。

刺したのはハチの中でも攻撃的で毒性が強いという「キイロスズメバチ」。

消防などによりますと、小学生から60代の男女4人が病院に運ばれましたが、症状は軽いということです。

巣は、業者が薬剤を散布し、穴をふさぐなどの対応を取りました。

現場は携帯電話の電波が届かなかったのか、刺された人たちは、1キロほど離れたそば店の電話を借りて通報しました。


そば店の店長:「60代くらいの男性が背中とか頭とか何か所も追いかけられ後ろから刺されたと。5分~10分後にも続けて来て、近くに病院はないか?と聞かれ、緊急で見てもらえる病院を案内した」

今回対応した業者の代表で、県内のハチ駆除専門業者でつくる協会の宮沢貴光会長は。


県ペストコントロール協会 宮沢貴光会長:「6月くらいから少しずつ巣が大きくなり始めて、9月10月が活動の最盛期。巣の大きさとともにハチの数も多くなってくるので、ハチの出入りも多くなり、活動が活発になる」

巣があったのは、参道わきの木の空洞=「うろ」と呼ばれるところで、こうした場所では特に注意が必要だといいます。


県ペストコントロール協会 宮沢貴光会長:「木の洞穴、住宅の屋根裏や軒下、換気口=雨や風をしのげる場所はスズメバチにとっては格好の巣を作りやすい場所。(追い払おうと)手を振りかざしたり、大きい音を鳴らしたりとか刺激しかねないので、避けてもらい、静かに離れることが肝要かと思う。まだまだ巣はこれから大きくなっていくので、注意を促したい」

今回のハチ被害を受けて戸隠神社や観光協会は、関係団体と連携して今後の対策や予防について話し合う予定だということです。


宮沢会長によりますと、スズメバチへの対策としては、●黒など暗い色に引き寄せられるため明るめの服を着る●香水や制汗剤など強い香りを避ける●茂みや木の近くに近づかない●もし巣を見つけても刺されたらアナフィラキシーショックを起こすなど危険なため自分で駆除しようとせず専門業者に相談してほしいとしています。