トランプ氏は「左派の影響」主張 アメリカ覆う“感情的分極化”
2024年の大統領選では、トランプ氏を支援し、若者票の取り込みや資金集めでも大きく貢献したカーク氏。その彼を銃撃したのはタイラー・ロビンソン容疑者(22)です。

同性愛やトランスジェンダーなど性的マイノリティの権利を守るよう主張していて、事件後、交際相手に対し、「カーク氏のヘイトにはもう耐えられない」などと語ったといいます。
事件を受け、バイデン前大統領はSNSで「私たちの国ではこのような暴力は許されない」と投稿。オバマ元大統領も「民主主義社会において決して許されない」と書き込むなど、歴代大統領も厳しく非難します。
その一方で、トランプ大統領は..

トランプ大統領(15日)
「彼(容疑者)はインターネットを通じて、左派の影響で過激化したようだ。彼は左派だ。左派には多くの問題がある」
容疑者の思想的背景や動機が十分明らかになっていない中、トランプ氏は「左派・リベラル派の影響で事件が起きた」と、根拠を示さずに決めつけたのです。またイーロン・マスク氏も「左派は殺人政党だ」と投稿するなど、左派を糾弾する発言が相次ぎます。
右派と左派の政治的対立が事件の背景にあるかのようなこうした発言について、専門家は…

同志社大学 政策学部(比較政治学) 吉田徹 教授
「“感情的分極化”などといいますが、今までの党派的対立は、相手の政策を認めるかどうかとか。そうではなく『相手が〇〇党支持者だから嫌い』と、人々の行動や認識を否定するようになる。対話の契機などが全くない社会になってきている。民主主義にとって非常に危険な兆候」