福島県立医科大学は、治療の難しい前立腺がんの新たな治療薬を開発し、国の承認に向けた治験を始めると発表しました。

県立医科大学が始めるのは、ホルモン療法が効きにくい去勢抵抗性前立腺がんの治療薬の治験です。前立腺がんは、男性に最も多いがんで、国内では、年間10万人がかかるといわれています。現在の主な治療法は、ホルモン薬や抗がん剤ですが、骨やリンパ節に転移している場合は、徐々に薬が効かなくなるとされています。

今回開発した治療薬は、がん細胞を破壊する放射線のα線を放つ物質を用いていますが、体内に留まる時間は短く、正常な細胞を傷つけるリスクも低いのが特徴だということです。

県立医科大学医学部・小島祥敬教授「(治療薬が)他臓器にもいかなくて(対象に)集中してくれるので、当然、使用効果も高いということが期待される」

治療薬の治験は、年内の投与を目指していて、県立医大では、今後、治験患者を集めるとしています。