土地を売買する際の目安となる「基準地価」が先ほど公表され、札幌の住宅地で上昇のペースが緩やかになっていることが明らかになりました。
荒木颯太記者
「札幌市中央区の円山地区です。買い物や通院などで利便性が高く、マンションや一軒家の建設が続いています」
16日に公表された北海道内の基準地価。
住宅地で最も高かったのは、札幌市中央区宮ヶ丘2丁目で、1平方メートル当たり38万3000円と、37年連続で1位となりました。
北海道不動産鑑定士協会・横山幹人 理事
「札幌では特に中央区に人が集まっている。医療・交通・買い物施設などの関係で」
ただ、札幌市全体で見ると、住宅地の価格が上昇するペースは落ち着いてきているようです。
2023年は、12.5%に達していましたが、2024年は3.6%、2025年は1.4%に。
専門家は建築資材や人件費などが高騰しているため、割安感のあった郊外で住宅の着工ペースが落ちているとみています。
北海道不動産鑑定士協会・横山幹人 理事
「『都心部が高くて手が出ない』という層が郊外の住宅地を買っていた。ところが建築費が上がって、安さが魅力という部分が薄れた」
中でも、手稲区と清田区は平均変動率が「上昇」から「横ばい」に。
上昇しなかったのは、いずれも13年ぶりです。
ブレーキのひとつと考えられるのが…。
北海道不動産鑑定士協会・横山幹人 理事
「バスの減便っていうのは、やはり影響が出ていると思います」
路線バスの縮小や減便などで、中心部への交通の便が悪くなったことが影響を与えていると指摘します。
一方、ほかの地域では、上昇率で全国トップクラスの地点もあります。
インバウンドでリゾート開発が進む、富良野市北の峰町は27.1%上昇し、全国の住宅地の中で1位。
さらに、次世代半導体の量産を目指す「ラピダス」の工場ができた千歳市は、商業地の上昇率で全国のトップ3を独占しました。
専門家は、ラピダスの従業員の住宅や半導体関連のオフィス需要が堅調なことから、今後も千歳市の地価の上昇が続くとみています。