■東京2025世界陸上競技選手権大会(16日、国立競技場)
男子400m準決勝が行われ、予選を日本新記録で突破した中島佑気ジョセフ(23、富士通)が、44秒53の組2着、着順で決勝進出を果たした。日本勢では1991年東京大会の高野進以来となる。
3組7レーンに出場した中島は、スタート直後は後方でレースを進めたが、最後の直線、残り100m付近でラストスパート、6位から一気に4人を抜き去り2位でフィニッシュ。力を振り絞って日本勢34年ぶりの決勝へ進んだ。
これまで初出場の2022年オレゴン大会は予選敗退、前回ブダペスト大会も自身初の準決勝進出も、決勝進出はならなかった中島。14日に行われた予選では、44秒44をマークし、佐藤拳太郎(30、富士通)が世界陸上ブダペスト(2023年)で出した44秒77を0秒33更新し、2年ぶりに日本記録を塗り替えた。
決勝進出を決め、しばらく動けなかった中島は、レース直後の場内インタビューに呼ばれると「みなさんの目の前で決勝進出を決められて幸せです。決勝も頑張りますので応援よろしくお願いいたします」とマイクで声を絞りながら答え、国立は再び大歓声に包まれた。
「予選で良い記録で通過できたってところが大きくて準決勝は自信を持って挑みました」とレースを振り返った中島。「人生の大一番というか、ずっと目指してきたものがやっと目の前にチャンスとして現れた時もしっかり冷静に挑めたってところがよかったと思います」と笑顔で話した。決勝に向けては「予選の前半の良い感じの乗りと準決勝の後半の上がりっていうのをしっかり組み合わせて明後日、最高のレースをしたいと思います」と決意を語った。
決勝は18日に行われる。