剣道に情熱を傾ける若き女性警察官です。大会で長野県警を準優勝に導く一方で、理想の警察官を目指し、日々奮闘する姿を追いました。

武道場に響く気迫あふれる掛け声。稽古に励むのは、長野県警の特別訓練員、通称・特練員のメンバーです。

県警の機動隊などに所属する精鋭たちで、中には、全国大会でベスト8になった実力者も!チームに今年新たに加わったのが…。


長堀美苗(ながほり・なえ)巡査23歳。大学を卒業して2年の女性警察官です。東京生まれで、小学1年のとき剣道を始めました。中学3年で、全国大会優勝、高校3年のインターハイではベスト8。四段の腕前です。

長堀さんのよきライバルが田邨七海(たむら・ななみ)巡査28歳。


同じく今年からメンバーに加わりました。現在、特練員はおよそ15人。そのうち、女性は、2人だけです。監督は、2人の加入でチームに勢いが増したと話します。


県警察学校教官 志村圭一監督:「田邨は自分の剣道を知り尽くしているので、それがいざ試合になった時にしっかりとそれが表現できる。長堀はもともと強気な性格で、それがすべて試合に出せる二人とも正反対な性格なんですが、それがいい結果を生んだと思う」

6月に行われた関東警察剣道大会。3人一組の団体戦で長野県警の初戦の相手は、茨城県警。1勝1分けで迎えた大将戦で田邨巡査が面で一本を取り、勝利しました。

続く群馬県警戦にも勝利し、決勝戦へ。相手は、強豪の静岡県警です。

中堅で出場した長堀巡査!

長堀巡査:「自分がここで技を出すぞという強い気持ちを決めて」

得意の面で一本!

先鋒と大将戦で敗れ、優勝とはならなかったものの、見事、準優勝。

長野県警の女子団体として初の快挙です。先月には、県警の本部長からも表彰されました。


田邨七海巡査:「今回の準優勝という結果、もっと上を目指して次は優勝できるようにがんばっていきたい」

長堀美苗巡査:「剣道やってきたことが警察官としての強みになっているので、堂々と市民の皆さんの安全安心を守れるように警察官として(今後も)訓練に励んでいきたい」


長堀巡査が勤務するのは、長野市内の交番。

日々、パトロールや巡回連絡で市民に安全を呼びかけ、事件や事故が起きたら、すぐに現場に駆けつけます。

長堀美苗巡査「警察官になった理由は、まず第一印象に警察官はかっこいいなと思ったので、憧れを抱いたのが一番最初」

警察官への憧れは幼いころから。中学生の時に信州を訪れ自然とそこに暮らす住民の人柄に魅力を感じ、長野県警を志しました。


県警察学校教官 志村圭一監督:「二足のわらじを履いて仕事も剣道もやっているから非常に大変だと思うんですけど、本人は本当にがんばってやっています。文武両道で本当に頼もしい」

剣道で培った精神力と体力を生かして県民の暮らしを守りたいと話す長堀巡査。

長堀美苗巡査:「今送れている日常の生活が困難なく過ごせるようにすること。安心安全を守ることが当たり前のようにできて、地域と警察官の壁が少しでもなくなるような地域に寄り添った警察官になりたい」


長野県警のチームは、長堀巡査などの活躍もあって来年から警視庁や皇宮警察などの精鋭が集まるよりレベルの高いグループで戦うことになっています。