「体も心も踏みにじられた」被害女性らの悲痛な思い
今年6月3日に行われた裁判に男は、短髪で黒色のパーカーにグレーのズボン、マスク姿で現れました。

被害に遭ったのは、ほとんどが一人旅の女性です。今年6月3日の裁判で検察は、被害に遭った3人の女性の悲痛な思いを代読しました。
「被告は裁判の中で自分を守ることに必死で、許すことができない」
「一生許すつもりはなく、できる限り厳しく処罰して欲しい」
「まったく反省しないで、言い訳ばかり。自分を守ってばかり」
「できれば出てこないで」
「どうか許されないで欲しい」
「生きて欲しくない」
「体も心も踏みにじられた」
「精神疾患がある演技をしている」
「怒りをこえて哀れ」
これらの言葉を聞いても、男は、表情を変えることはありませんでした。
検察は、
「ゲストハウスを性欲を満たすための罠として利用した」
「他に類を見ない極めて卑劣で悪質な犯行」
「被告は『黒い影に命令されていた』などと荒唐無稽な弁解に終始し、規範意識は根本から欠如している」
などと指摘。
被告人に反省の態度が一切見られず、再犯のおそれが大きいことから、徹底した矯正が必要だとして、検察は“懲役28年”を求刑しました。
一方で男は、最終陳述で
「当時は黒い影から脅迫、命令されていた」
「犯行当時は記憶がない」
「心を深く傷つけ、大変申し訳ないことをしたと反省しています」
などと手元のメモを確認しながら述べました。
弁護側は
「当時、統合失調症、あるいは他の精神疾患の影響で善悪の判断がつかず、自分の行動をコントロールできない状態だった」
として、改めて“無罪”を主張しました。
判決は、9月24日に言い渡されます。
【第1回】「きっかけは約20年前 そして知人女性に」
【第2回】「検察が指摘する『計画的かつ狡猾な手口』とは」