自民党総裁選に向け、小林鷹之元経済安保担当大臣が11日、出馬の意向を固めました。しかし、他の有力候補たちの出足は遅い印象です。その背景には一体何があるのでしょうか。

推薦人確保が難航か “旧派閥”はどこまで影響?

自民党 小林鷹之 元経済安保担当大臣(50)
「自由民主党の総裁選に臨む。その覚悟を固めました」

2番目に手をあげたのは、小林元経済安保担当大臣。

自民党 小林鷹之 元経済安保担当大臣(50)
「消費税を含めて、聖域を設けることなく一つ一つしっかりと検討し、野党の皆さんと、この“少数与党”の状況の中で、誠実に向き合っていく」

小林氏は「20人の推薦人のハードルは越えられる」と話し、9月16日にも正式な出馬会見を行う考えを示しました。

初挑戦だった2024年は、知名度不足を補うため9人の中で最も早く表明し、各地を飛び回ってアピール。最終的に5位に食い込みました。

しかし今回、小林氏以外にも出馬の意向を固めている議員はいるものの、正式表明は来週になる見通しです。

各陣営とも出足が遅い印象なのは、なぜなのでしょうか。

自民党中堅議員
「(衆参の選挙で敗れ)議員の数が減っているから、推薦人集めが大変なんだ」

前回、推薦人になったり、支援してくれた議員が選挙で落選したことから、各陣営ともに、20人の推薦人確保が難航し、出馬表明にも遅れが出ているという見方もでています。

そこで再びチラつくのが“旧派閥”の存在です。

10日、最初に出馬表明した茂木氏は旧茂木派の会長。

かつて派閥に所属していた中堅・若手を固めていたことから、スタートダッシュを切れたものとみられています。

林氏も作戦会議を立てているのは、所属した旧岸田派の議員らが中心です。

また、動向が注目されている小泉農林水産大臣の周辺からはこんな声も。

自民・小泉氏周辺議員
「本当は真っ先に(派閥を率いる)麻生さんと会って支援を取り付けなきゃいけないが、(小泉氏が)派閥の親分に頼るとみられたら、戦いにくくなる」

石破内閣の閣僚からは。

平将明 デジタル大臣(9日)
「派閥の領袖とか長老が発言をして流れを作るような自民党総裁選をしたら、自民党は終わると」

改革と“票固め”の間で、候補者たちも難しい判断を迫られています。