過去5年間の交通事故を分析した結果、小学生が歩行中に死亡または重傷を負う事故は10月が最多だったことが、警察庁のまとめでわかりました。

警察庁は今月21日からの秋の全国交通安全運動で、歩行者の事故防止などについて注意を呼びかける方針です。

警察庁によりますと、去年までの5年間で、歩行中の交通事故により死亡または重傷を負った小学生は10月が214人と最も多くなりました。

「飛び出し」が原因で事故に遭うケースが最多で、警察庁は、10月に事故が増える理由について「過ごしやすい気候になり、新学期の環境にも慣れてくる時期で活動的になるため」とみています。

また、事故の状況を月別でみると、春から秋にかけては「自転車乗車中」の事故が最多となった一方、日の入りが早まる10月以降は「歩行中」の事故が最多となり、特に夜間での事故が増える傾向にあることがわかりました。

警察庁は「暗くなる時間帯はドライバーと歩行者の双方が互いを認識しにくくなる」として、運転時の早めのライト点灯やハイビームの活用、歩行者の反射材の利用が事故防止に効果的だと呼びかけています。

また、去年1年間の「自転車乗車中」の死者数は324人で、過去10年間では最も少なく減少傾向にありますが、自転車側に法令違反があった割合は82.1%と過去最多となりました。

2023年4月から義務化されている自転車乗車時のヘルメットの全国での着用率は、義務化される前の2023年2月時点の4%から今年7月末時点で21.2%まで上昇しました。

都道府県別でみると、最も着用率が高かったのは、愛媛の70.3%で、次いで大分の53.7%、山口の49.9%でした。

一方、最も着用率が低かったのは大阪の7.2%で、青森の7.5%、沖縄の7.6%など一桁台にとどまる地域も多くみられました。

秋の全国交通安全運動は今月21日から30日にかけて全国で一斉に行われる予定です。