凶作・不作の年は出没が増加に

富山県は4日、クマの主食となる堅果類の豊凶調査の結果を公表し、ツキノワグマ出没警報を出しました。

県全域でブナは凶作、ミズナラとコナラが不作で、いずれも、去年より実りが悪い状況です。同様の作柄だった、2020年は9月から11月までの出没が363件で「準大量出没」となりました。

ことしはすでに7月と8月の出没が109件に及び、この時期としては調査開始以来、最多となっています。

白石学芸員は今後、食べ物を求めるクマが標高の低い平野部まで活発に活動することを懸念します。

立山カルデラ砂防博物館 白石俊明学芸員
「以前は山奥にしかクマがいなかった。山奥から5キロ飛び出すだったのが今はクマがこの丘陵の末端まで生息している時代になりましたから。ここから10キロ飛び出す、5キロ飛び出すということになると富山県内多くの方が被害想定地域に住んでいることになると思います。過去の出没地域はもちろんなんですけどそれより拡大するより被害が想定されている範囲が広くなっているという形で対策を進めた方が良い」

クマの目撃と痕跡情報を示した「クマップ」では過去10年間、山沿いの集落のほか市街地でもクマが確認されています。