広島で被爆した男性が、福島県相馬市の高校を訪れ、生徒たちに当時の記憶を伝えました。
黒田レオンさん「台所にいた母親がものすごい金切り声で『熱い!』と言った。それがあの原爆の熱線を浴びた時」
黒田レオンさん、86歳。広島に原爆が投下された1945年の8月6日、当時6歳だった黒田さんは爆心地からおよそ1.6キロの自宅で被爆しました。戦後80年の今年。相馬市の相馬高校では、生徒たちに戦争の悲惨さ、平和の尊さを考えてほしいと、黒田さんを講師として招き、講話を開きました。黒田さんの自宅は、倒壊から免れましたが、のちに救護所になり、幼い時の記憶ながらも当時の光景は今でも忘れないと話します。
黒田さん「目玉がぶら下がったままで人が歩いている。何となく手を前に出しているような気がした。目が飛び出している人は何人もいた」
黒田さんは1、2年生およそ280人を前に、自身の体験を通じて、戦争の悲惨や平和の尊さを語りました。

女子生徒「80年前の出来事なのに、幼い頃に経験されたのに、あんなに鮮明に覚えているというのはすごく辛い記憶だと思うし、実際にどんなことがあったのかということを聞いてすごく胸が締め付けられた」
男子生徒「きょう聞いた話を大事にしていって、他の人や自分たちの下の世代の人たちにも伝えていきたい」
相馬高校では今後、高校の放送局で、黒田さんの話を戦争や原爆に関する番組作りに生かしていきたいとしています。