犯罪被害者らが法的支援を受けやすくするための新たな制度について、政府は支援を受けられる対象事件などを定めた政令を閣議決定しました。

犯罪被害者やその遺族をめぐっては、被害に遭った直後から裁判への対応や支援の申請手続きなどが必要となる一方で、精神的、身体的被害などから自ら対応できず、経済的な理由からも弁護士の支援を受けられないケースがあります。

こうした被害者らに対して、日本司法支援センター=「法テラス」が費用を負担して弁護士による援助を行う「犯罪被害者等支援弁護士制度」が来年1月から始まります。

この制度を定めた「改正総合法律支援法」では、支援対象を▼殺人事件など「故意犯」で犠牲となった人の遺族や、▼性犯罪の被害者らそれに▼「政令で定める罪と被害の程度」としています。

「政令で定める罪と被害の程度」の具体的な内容は決まっておらず、法務省で検討していました。

政府がきょう閣議決定した政令では、強盗傷害などの「故意に人を負傷させた罪」とし、被害の程度についても3か月以上の治療期間か後遺障害を負ったケースと定めています。

一方で、法務省は、支援対象者の資産状況の要件については検討を続けるとしています。

法務省の担当者は「法テラスで話を聞いたうえで、要件に該当しうるという判断になれば支援していくことになる。被害者らの声を聴きながら運用していきたい」としています。