濃淡のある落ち着いた青が印象的な備前焼のライオンです。

木村玉舟さんは、備前の土を用いて彫刻する「陶彫」の第一人者で、白い備前焼「白備前」の技法とデニムの染料、インディゴを用いたライオンを制作しました。
RSK山陽放送が制作した映画「新居浜ひかり物語 青いライオン」のモチーフとなったアーティスト、石村嘉成さんのアクリル画「ブルーライオン」をイメージしたといいます。

備前焼といえば、岡山県備前市でとれる土を用いた伝統的な焼き物で、高温で焼成することから硬く丈夫で、落ち着いた茶褐色をイメージする人が多いかもしれません。
木村さんの手がける「白備前」は、同じ備前の土を用いながらも、鉄分の含有率が非常に低いため、白く焼きあがります。
その「白備前」の技法に、岡山県倉敷市などで生産の盛んなデニム製品に欠かせない染料、インディゴを組み合わせた新しい作品です。

白く焼き上げたライオンに染料を塗っては乾かすことを繰り返し、味わいのある色味に仕上げました。
木村さんは「インディゴは、天然由来の染料だからこそ、人工の染料には出せない色の深みがある」と話します。
作品は、木村さんが白備前に青磁釉をかけて制作したライオンとともに、RSK山陽放送本社ロビーで展示しています。

木村玉舟さんは、白備前とインディゴブルーを組み合わせる技法で、シーラカンスやカブトガニなども制作し、来月(10月)3日から倉敷市の旧野﨑家住宅で開かれる「こじまブルーArt Festival」で展示されます。
会場には、日本陶彫会瀬戸内支部のメンバーによる瀬戸内海に生きる動物たちが展示される予定です。会期は、11月9日までです。
