来年4月から始まる自転車の悪質な交通違反への「青切符」導入を前に、警察庁はきょう(4日)、取り締まりの考え方などをまとめた「自転車ルールブック」を作成したと発表しました。

自転車の悪質な交通違反に対して「青切符」を交付する取り締まりが、来年4月から始まります。

「青切符」は、これまで車などの交通違反に適用されてきましたが、今後は16歳以上の自転車利用者も対象となり、信号無視や「ながらスマホ」など113の違反行為に反則金が設けられます。

「青切符」の導入をめぐっては、今年4月のパブリックコメントで6000件ほどの意見が寄せられ、主に歩道通行の取り締まりについて批判的な意見が集まっていました。

こうした中、「青切符」導入の背景や取り締まりの考え方などを広く周知するため、警察庁はきょう、「自転車ルールブック」を作成したと発表しました。

「自転車ルールブック」には、▼「青切符」の導入の背景や手続きの変更点、▼守るべき基本的な交通ルール、▼交通違反の指導・取り締まりの基本的な考え方などがイラストや図を交えてわかりやすく解説されています。

ルールブックでは、悪質性や危険性が低い場合は基本的に現場での「指導警告」で対応するとし、飲酒運転やあおり運転など交通事故に結びつくような危険な運転については「赤切符」の対象となります。

「青切符」が交付されるのは、警察官の指導や警告に従わない場合や、歩行者や車などに危険を生じさせた場合です。

このほか、2人乗りで赤信号を無視したり、傘を差しながら一時不停止をしたり、違反を同時に2つ以上行い、事故の危険が高まっている場合も対象となりますが、反則金を納付すれば刑事処分は行われません。

ただし、重大な事故につながるおそれが高い違反については、警告なしで直ちに「青切符」が交付されるとし、例として、▼「ながらスマホ」:1万2000円、▼遮断踏切への立ち入り:7000円、▼ブレーキのないピストバイク:5000円が挙げられています。

取り締まりは、各都道府県警の警察署が自転車の通行量や事故件数などを踏まえて指定した「自転車指導啓発重点地区・路線」で、朝の通勤・通学の時間帯や日没前後で薄暗い時間帯を中心に重点的に行われるということです。

この「自転車ルールブック」は警察庁のホームページで掲載し、交通安全教育などに活用してほしいとしています。