バレーボールの世界一を決める世界バレーで日本時間3日、女子日本代表(世界ランク4位)はオランダ(同8位)に3ー2で勝利し、準決勝進出を決めた。この試合の解説を務めた元日本代表の荒木絵里香さん(41)に試合の振り返りとアメリカ(同6位)対トルコ(同5位)の勝者と対戦となる準決勝(6日)の見どころを聞いた。
※世界ランキングは日本戦終了時点
初田啓介TBSアナウンサー:
日本、ついに準決勝進出です。やりました!(拍手)しかし荒木さん、すごい試合でした。
荒木さん:痺れましたね。
初田アナ:痺れましたね、フルセット。
荒木さん:取られ取って。
初田アナ:取って取られ。取られて取って。
荒木さん:最初はちょっとどうなるかなって。
初田アナ:ちょっと第1セット、どうなるかと。
荒木さん:
日本らしくないミスだったりとかをやられてしまっていたんですけど、どんどん良くなってきましたね。
初田アナ:
やっぱりちょっと固かったんですか。どうですか出だしっていうのは。
荒木さん:
どうなんですかね。やはり準々決勝ってすごく大事な試合で、選手もちょっと緊張していたかもしれないですし逆に意気込みすぎて。空回りするってこともありますよね。
初田アナ:
実は荒木さんがこの試合の前で打ち合わせをさせていただいたときに、若干気になるポイントがあると。それは何かというと、ネーションズリーグでオランダに3対0でストレートで勝ってる。ここがちょっと気になるんだっていうお話をされた。その意味ってのはどういうことだったんすか。
荒木さん:
やはり勝ってるっていいイメージがあるっていうのも好材料でもあるし、逆に言うと少しいけるんじゃないかっていう雰囲気になってしまうっていう部分もありましたし、勝った相手っていうのも、スタメン半分いなかった。
初田アナ:
そう、いなかったんです。セッターとね、セッター対角はネーションズリーグにも出てましたけど、キャプテンのダールデロップ選手も、それからミドルブロッカーのティンメルマン選手もいなかったんですよね。
荒木さん:
そうですね。精神的にも攻守の中心となる選手がいない中での勝利だったので、全く違うチームですよね。
初田アナ:
でしたね。しかしオランダも粘りましたけどいや、日本の粘りすごいですね、さすが。
荒木さん:さすが小島(満菜美)選手のディグ。
初田アナ:小島選手ね~。
荒木さん:落とさない。
初田アナ:
落ちませんよ。本当に落とすものかという。
荒木さん:
気迫と本当に一点にかける思いっていうのが。
初田アナ:
ひとつのラリーで3回拾った場面ありましたよね。
荒木さん:
ありましたね。フェイントも絶対落ちないですからね。あそこの強打だけでなく
素晴らしかったですよ。
初田アナ:
それからあの和田(由紀子)選手ですね今日は何と言っても。
荒木さん:すごいユッコ。
初田アナ:
和田選手の完全復活といいますか。若干ね大会前にこのコンディションの面で少しね、ケアが必要な部分もあったみたいですけど、もう大丈夫でしょうかね。
荒木さん:
もうどんどん調子が上がってってますね。
初田アナ:
右肩上がりですね。今日はもう本当勝負どころで上げれば決めるという状態になってましたし、最後の最後にサーブで和田サーブが炸裂しました。
荒木さん:
してましたね。もう無双でしたね。あんだけ高いブロックに対しても、冷静に打ち分ける、また難しいボールもうまく処理して得点に結び付けるっていう。本当に素晴らしいプレーでしたね。
初田アナ:
そして要所要所でここっていうところで、石川(真佑)キャプテンのスパイク。
荒木さん:
本当、さすがでした。何かチームが苦しい劣勢のときに必ず切るのが石川選手なんですよね。
初田アナ:
連続ポイントを許してて何とか切ってほしいなという場面ですとかね。大事なその1点、同点に追いつきたいとか。
荒木さん:
最後5セット目。真佑の目の色が違いましたね。
初田アナ:
勝負師でしたね。しかし第5セットもね、立ち上がりちょっと3連続ポイント取られて0ー3スタート。
荒木さん:
あのときヒヤッとしましたね。
初田アナ:
実はね、ちょっとヒヤッとしましたよね。ここだけの話ですけど、ヒヤッとしますよねそりゃ。でも、そこから追いついていけたポイントってのはどこにあったんでしょう。
荒木さん:
やはりサーブで攻めていけたっていうのもありますし、ラリーに持ち込んで相手がいくら攻めても拾う、そして繋ぐ。真佑、決めきる。理想的な展開に持ち込みましたよね。
初田アナ:
日本らしさ、日本の良さっていうのがもう随所にね、散りばめられていた試合でした。さてこれで、荒木さんが出られたメダルを取ったあの2010年。最後アメリカと3位決定戦やって、メダルを取られましたが、そのとき以来のベスト4です。
荒木さん:素晴らしい。(拍手)
初田アナ:すごいな。(拍手)
荒木さん:準決勝ですね。
初田アナ:世界選手権の準決勝ですよ。
荒木さん:楽しみですね。
初田アナ:アメリカですか?トルコですか?
荒木さん:どっちが来ても強い!
初田アナ:
どっちもね、アメリカは東京オリンピック™の金メダルですしね、トルコだってパリオリンピックでベスト4に入ってるし。
荒木さん:今の日本ならやってくれます。
初田アナ:
もう日本も、つまり今年のネーションズリーグでもこの準決勝まで行ってるわけですし、世界のベスト4の常連になりつつありますよ。
荒木さん:
本当そうですね。この舞台をどんどん積んで勝ちを重ねることで自信がついて、次のロス五輪のメダルに繋がっていくと思うので、本当に準決勝、楽しみです。
初田アナ:
それだけこの大会、日本にはチャンスがまだまだあると。そのチャンスを自分たちで手繰り寄せているということが言えるかもしれません。
荒木さん:そうですね。はい。
初田アナ:
準決勝、アメリカ戦かトルコ戦かわかりませんが、鍵は何でしょうか?
荒木さん:
もう本当にチームの一体感ですよね。タイム中もベンチがグッと一つになって肩組んでる姿であったりとか、鼓舞してる姿っていうのは、本当に最後の一点決め切るとこのパワーになりますし、そういったチーム力っていうところで、日本の良さを存分に出して欲しいです。
初田アナ:
アクバシュ監督が岩澤(実育)選手がいいプレーして、ベンチに帰ってきたときに、一番高いところに手を挙げてましたね。岩澤選手、懸命にジャンプしてました。
荒木さん:
はい。本当にチームの雰囲気の良さが見えますよ。
初田アナ:
本当ですよね。いやあ、土曜日。いよいよ運命の準決勝です。勝てば決勝です。
荒木さん:楽しみ!
初田アナ:
勝てばメダル確定。もう勝つことしか考えてないと思いますが準決勝素晴らしい戦いを期待したいと思います。荒木さんどうもありがとうございました。
荒木さん:
ありがとうございました。頑張れ!