水揚げされる未利用魚について理解を深めてもらおうと、静岡県熱海市のホテルが特別なプランを企画しました。

見て、触って、味わう。

もったいない魚を五感で楽しみながら学びます。

埼玉県に住む岩田さん親子です。

<漁師>
「よし、いいよ。持っていて、落とすなよ」

熱海市の沖で地元の漁師と一緒に網を仕掛けました。これは漁師の仕事体験で、翌朝に網を引き上げます。

<岩田侑也さん>
Q. どんな魚が釣れて欲しいですか?
「カレイ」

魚市場に向かうと、馴染みのない魚が水揚げされていました。

<熱海魚市場 宇田勝社長>
「魚の身質がくさかったり、傷がついていたり。ここに毒がある魚がいるんですよ、アイゴとかミノカサゴとか」

親子が見せてもらったのは“未利用魚”です。世界全体の水揚量の約3割以上を占め、見た目や鮮度が落ちる早さなどから廃棄されることが多いといいます。

<岩田敦子さん>
「全く見ない魚なので、びっくりです」

<宇田社長>
「もう何でも食べれるんだよ魚は、骨のある魚でもおいしく食べれるだよって。いつかこの未利用魚という言葉、未活用魚という言葉を無くしたい」

漁の体験や、市場の見学。これは静岡県熱海市のホテルが企画した未利用魚を知る宿泊プランです。

<リゾナーレ熱海 片岡健人さん>
「実際に魚に触れる機会が少ないという現状があるので、お客さまに実際に触れて、感じてもらい、それを最終的に自分の口に運ぶにはどうしたらよいかを考えてもらってというのが魅力」

早朝、前の日に仕掛けた網を引き上げます。

「なんかいる、おー、カレイじゃない?、やったー!」

500メートルある網を30分ほどかけて引き上げました。

<岩田侑也さん>
「大変だった。だけどいっぱい釣れてうれしかった」

網にはカレイやウツボなど10匹ほどがかかりました。中には毒を持つミノカサゴなどの未利用魚も。未利用魚をどう生かしていくのか、朝食作りを通して学びます。

骨の多い魚は身をすりつぶしてハンバーガーのパティに。サイズの小さい未利用魚はフライドフィッシュにしました。

<岩田侑也さん>
「未利用魚は調理すれば食べられることを学んだ。小さい魚でもおいしいということを学んだ」

<岩田敦子さん>
「実際に見ながら教えてもらえるのでわかりやすいですし、実際にこういう形で調理もできるし、使われていくんだなというのを実感できて本当によかった」

観光地に宿泊して旅を楽しみながら未利用魚について学んでもらう。海の資源を未来につなげる新しい取り組みです。