全ては「一人で生きていくために」
買い物も、店員に場所を聞いて、自分たちだけで行います。彼らには日常生活の経験が、ほとんどありません。
(指導員)
「このパンは、ここにある袋に入れて」

目が見えなくても、自立した生活を送れるようになること・・・キルギスの視覚障害者たちは、このような厳しい訓練を経て、初めて社会に出られるようになるのです。
(指導員【画像⑫】)
「このセンターの訓練の目的は、目の見えない人が普通の行動をして、自立した生活が出来るようになること」
「もし『あれも駄目』『これも駄目』と避けていたら、この国では盲人は何もできないままだ。だから出来るだけ現実の世界に適応できるよう、頑張ってもらっている」

自立を果たした卒業生たち
実際に、この施設での訓練を経て、自立を果たした卒業生も数多くいます。首都・ビシュケクの郊外の一軒家【画像⑫】。全く目が見えないというアザマットさんは、今年春から妻とともに暮らしています。

まだ不慣れな新居ですが、ようやく間取りも覚えました。施設での訓練を経て、調理も自分で出来るようになりました。
(アザマットさん【画像⑬】)
「もう見えなくなって6年が経った。見えなくなって最初の2年間は、ストレスで物が覚えられなくなりました」
