人やモノに触れずに商品の販売やサービスの提供を行ういわゆる「非接触ビジネス」。イブプラでは1年前にもお伝えしましたが、さらに広がりをみせています。コロナ禍の新しいビジネスモデル、その最前線を取材しました。

大分市にある吉野食品。こちらで製造販売しているのが江戸時代から親しまれてきた「吉野鶏めし」。大分を代表するグルメ、今では県外にも人気が広がっています。

(吉野食品・相馬美紀さん)「こちらは炊きあがった鶏めしをパックに詰める作業です。1日に通常で8000個ほど作っています」

「鶏めし」は調理場に併設された売店でおにぎりとして販売され、多くの客ができたてを買い求めにやってきます。ただ、午後1時になると…

売店の営業が終了し、自動販売機での販売に切り替わりました。去年11月に導入されたというこの自販機、その理由は…

(相馬美紀さん)「どうしても私たちの作業が朝早いものですから(売店が)閉まる時間が早くなってしまう。閉店した後も鶏めしを購入してほしいと思い、設置した。人と接触しないで販売できるようにというのもある」

夜明け前、朝の3時から始まる鶏めし作り。コロナ禍を機に働き方などを見直して午後1時以降は自販機のみの販売に変更しました。それでもその日に炊き上げた鶏めしが食べられるとあって好評のようです。

(利用者)「便利いいですよね。あたたかいですし。また次も利用したい」「初めてです。自販機があることを知らなかったから買えてよかった」

(吉野食品・相馬美紀さん)「せっかく来てもらっても今までは買えなかった。仕事帰りにふらっと寄ってもらって、小腹を満たしてもらえたらうれしい」

自動販売機機や無人店舗など、人と対面せずに購入できるサービスはコロナ禍3年目に入り広がりを見せています。

民間の信用調査会社帝国データバンクは統計はないとしたうえで、「労働人口の減少が今後さらに非接触型のビジネスを加速させる」と予測します。

(帝国データバンク大分支店・吉元英治課長)「(コロナ禍で)非接触に対して『失礼だな』という感覚がなくなってきたというところが大きい。人手不足と人件費の上昇を考えたときに無人店舗という選択肢をとるのは合理的な経営判断だと思う」

こちらは、別府市に先月、オープンした無人の古着販売店。代表の南さんは開業にあたり、人件費がネックとなっていましたが、従業員を雇わないことで憧れの実店舗経営に漕ぎつけました。

(エム・キュオーレ 南龍治代表)「店員がいないというのが新しいので、ゆっくり買い物ができる。ビルの2階にあるので外からの目も全く気にならない」

■新しいビジネスチャンスにも