学生からゲイツ氏に質問!ゲイツ財団の役割は?

ここで、財団の活動についてもう少し掘り下げるべく、学生たちからストレートな質問をゲイツ氏にぶつける機会を設けた。
安住紳一郎アナウンサー:
間近で見ると緊張する?緊張するよね。質問があるよという人、手を挙げてみてください。木下さん行ってみようか。
千葉大学国際教養学部 木下由子さん:
同様の活動を各国の政府や国際機関でも行えると思うのですが個人の慈善財団としてゲイツ財団ができることや役割についてどのようにお考えか教えてください。
安住紳一郎アナウンサー:
いい質問!そうね、俺がしていなかった質問。
ビル・ゲイツ氏:
理想を言えば、裕福な国はもっともっと貧しい国々をサポートするべきです。しかし残念ながら各国の支援は十分ではありません。私は最初3000万ドル(約44億3500万円)をマラリア対策に支援しました。当時マラリアは毎年100万人の子どもたちの命を奪っていたんですね。子どもを助けるためにお金を使わない…この世界はあまりにクレイジーです。
昨今の世界情勢では、国際支援の輪が縮小する動きもある。
例えば、HIV対策など支援を行ってきた、アメリカ政府機関『USAID』。2025年7月トランプ政権によって支援事業の殆どを停止され事実上“解体”に。
これにより2030年までに1400万人以上が新たに死亡するという推計もある。(英医学誌「ランセット」掲載の推計)
こうした事から、本来はゲイツ氏の死後使うとしていた30兆円を早く使う決断をしたのだろうか。
ビル・ゲイツ氏:
富を得た人々はもっと率先して行動すべきです。資金面だけでなく“声を上げる”責任があります。政府に働きかけるべきなんです。
AIの未来「“破壊的な変化”に不安」

安住紳一郎アナウンサー:
では続いていってみましょう。おお!いいね。みんなだいぶリラックスしてきて。では一番前の鮫島さん。お願いします。
東京大学薬学部 鮫島華さんの質問は「AIなど急速に普及したデジタル技術による、格差や弊害をどう思うか」というもの。
安住紳一郎アナウンサー:
確かに、AIが随分と普及してきて、皆も論文を書く時にチャットGPTを使ったりするけれど、一方でAIが人間の仕事をとったりだとかAI戦争みたいなことが起きたらどうしよう。それは私達にもう止められないんじゃないかと思うけれども、そのあたりの今の考えをぜひ教えてください。
ビル・ゲイツ氏:
AIは新薬の研究開発にも一役買ってくれると思っています。ポジティブなこともたくさんありますが “共に働く”には大きな課題もあると思います。そして『雇用市場』が急速に変化するでしょう。それは過去にも起きました。日本もそうでしょうが農家さんがとても減りました。100年くらい前なら「農家が減るなんて絶対ない」と皆思っていたでしょう。こうしたことがこの先10年のうちに起きる…そんな“破壊的な変化(ディスラプション)”に不安を感じます。
 
   
  













