恐るべき繁殖力で“地球上最悪の侵略的植物”とも呼ばれる水草が全国各地で猛威を振るっています。水田でも繁殖し、コメの収穫にも影響が。現場を取材しました。

高柳光希キャスター
「川の端から端まで水草で覆いつくされています。まるで陸が続いているみたいですね」

茨城県河内町を流れる一級河川・新利根川。

高柳光希キャスター
「川幅いっぱいに広がっている水草、この場所もそうですし、橋を渡りまして、反対側にも広がっています」

川を覆いつくすその正体は!ナガエツルノゲイトウ。南米原産の水草で生態系などに悪影響を及ぼすことから、環境省の「特定外来生物」にも指定されています。

茨城県の職員同行のもと近づいてみると、岸辺でも繁殖。

茨城県環境政策課 佐々木泰弘さん
「陸にもどんどん上がってきてしまうのが手強い」

驚くべきはその繁殖力!“地球上最悪の侵略的植物”とも呼ばれています。

茨城県環境政策課 佐々木泰弘さん
「茎のところから芽や根が出てくるので、ちぎれて増える」

「茎の一部」からも増えるというその繁殖力は?

国の許可を得て撮影した実験映像。茎の節から新たな茎や根がどんどん伸びていき、わずか2週間で8センチも伸びました。

新利根川の現場でも…

高柳光希キャスター
「茎から枝分かれをして、無数に枝が伸びているのもわかります」

10年ほど前には穏やかだった川が、この“地球上最悪”の繁殖力で今では川を覆いつくさんばかりになっています。県はフェンスを設置するなどの対策を行っているほか、秋には駆除を予定していますが…

茨城県環境政策課 佐々木泰弘さん
「(Q.全てをなくすことは可能か)不可能に近い状態なんじゃないかと」

頭を悩ませている人は他にも…

コメ農家 常南ファーム 野澤拓哉さん
「ここに繁茂して見えているのがナガエツルノゲイトウです」

新米の収穫を迎える田んぼでも繁殖していました。

コメ農家 常南ファーム 野澤拓哉さん
「増えすぎてしまうと、刈り取りができないほ場(田んぼ)ができてしまったり、肥料を吸われてしまって良い稲ができなくなってしまう」

大規模な駆除が行われても、また大繁殖するこの“厄介モノ”。有効活用する取り組みが!

鳴門市環境共生部 辻宏人さん
「これはナガエツルノゲイトウで作った堆肥です」

香川県で環境技術の開発に取り組む企業が“厄介モノ”を堆肥として生まれ変わらせています。

ナガエツルノゲイトウとの戦い、一筋の光が見えてきています。