幼稚園のすぐそばにある“命山”

一方、特別な装置を使わなくても、防災を身近に考えることができます。やす子さんが向かったのは、名古屋市港区の富士文化幼稚園。

海抜ゼロメートル地帯が広がる名古屋市港区では、南海トラフ巨大地震の津波で広く浸水する想定です。この幼稚園では、いざという時に命を守るための取り組みを続けています。

(やす子さん)「みなさん、あっちに見える山はなんですか?」
(園児)「命山!」
(やす子さん)「どういう時に行く?」
(園児)「津波の時に登る」

その名も“命山”。幼稚園の周辺には、逃げられる高い建物がないため、名古屋市が初めて作った、高さ7メートルの人工の山です。幼稚園では、いざという時にすぐに避難行動がとれるよう普段から、ごみ拾い活動を通して命山に登ることにしています。

(富士文化幼稚園 岡田春子名誉園長)
「子どもたちに怖いよと言うのではなくて、怖いけれどもそれに対する身構え、身の振り方、日常で自然に身に着けられればいいと思っている」

日常の中で行動を積み重ねることが「いざ」というとき、大切な命を救うのです。

(やす子さん)
「備えをしているから大丈夫と思わずに、本当に災害大国なので、いつ(災害が)来るかわからないし、この放送を見ている今、起きるかもしれないし、常に想定して、楽しく生活するために準備・備えをしてもらえたら」