夏休み明けは子どもたちがストレスを感じやすい時期でもあります。命を絶ってしまった全国の小・中・高校生の数は、8月後半から増加傾向にあります。そこで夏休みが明けるのを前に、広島県福山市の中学校では精神科医を招いた教職員対象の自殺対策研修会が行なわれました。

福山市立城北中学校で行われた研修会には、教職員約40人が参加しました。講師は「福山こころの病院」の大林芳明院長、精神科医です。

福山こころの病院 大林芳明 院長
「リストカットとか自傷行為されているお子さんとか、その子らも自分でSOSを出せない、自分で言葉で表現できない」

大林院長は、「聞き手がいなければ語られない。聞き上手になる聞き方の工夫が大切」だと語りました。

続いて、参加者たちは、先生役と生徒役に分かれ、ワークショップ形式で、ケースごとに適切な生徒への声かけについて、意見を交わしました。

生徒から自傷行為を秘密にしてほしいと頼まれた事例を検討したこちらのペアは・・・

養護教諭役
「この今の状況は担任の先生には知っておいてほしいなと思うし。担任の先生が一番気にかかると思うよ」
生徒役「じゃあいいわ」
養護教諭役「言っていい?」
生徒役「うん」

教員
「自分たちがどういうように接していくか。色んなところと連携しながら、生徒の気持ちを考えながら接していけたらな」

城北中学校の山口裕三校長は「全国で529人の小中高校生が自殺している。どういう対処がよいか、どういう風な声かけをしていくべきか気づいてもらえたら」と話しています。

夏休み明けは、生活リズムが変わり、子どもたちにとってストレスを感じやすい時期でもあります。ご飯を食べる量や食べ方、朝、起きてこないなど、小さな変化を見逃さないようにしてください。