語ることは命をつなぐこと
一方、越後胎内観音奉賛会の理事長・布川陽一さん(87)も、この悲劇を忘れないようにと活動しています。布川さんは、子どもたちに水害の記憶を伝えることの重要性を強調します。

【布川陽一さん(87)】
「語るということは命をつなぐ、そういう思いで子どもたちと接し、当時の話をしております」
水害の記憶を後世に伝えるため、胎内市黒川地域には55年前に胎内観音が建立されました。毎年8月28日には犠牲者への慰霊祭が行われ、地域の人々が集まります。

幼い女の子の顔が浮かぶ“童女石”の存在もまた、水害を語り継ぐきっかけとして、光が当たっているのです。
過去の悲劇を繰り返さないための、地域の人々の願い。
それは、命をつなぐための語り継ぎなのかもしれません。

各地で水害が相次ぎ、『8.28水害』の記憶を持つ人々の高齢化が進む中、その体験を記録し伝えていくことの重要性は、ますます高まっています。