ガーデンの入り口には、憲治さんがワイヤーで手作りした表札があります。
「cafeRivage(カフェリバージュ)」の文字の上には…

憲治さん
「これ、パラダイス。ここは2人のパラダイスということで、2019年に来たんですね、ここへ」

これまでの2人の歩みがまとめられた「リバージュ史」を見せてもらいました。パラダイスができるまでの道は平たんではなかったようです。

憲治さん
「6年半ぐらいかかりました。店を開けるのがやっと6年半たってからだったですからね」

憲治さんは1級建築士。プロの目線で日当たりなどを考えて1年以上かけて土地を探し、2015年、この場所に出会います。当時は雑木林でした。

この状態から、まずは草刈り!2人で開拓を始めます。

憲治さん
「山口市小郡住んでいましたから、その頃は。山口市からここまで通うのに、片道で2時間半かかるんですね。行って帰ったら5時間かかって」

そこで、1日の作業時間を増やすためにキャンピングカーを購入。平日は山口市で仕事をし、週末になると周防大島町に通ってキャンピングカーで寝泊まりしながら作業しました。インフラ整備のほかに、建設機械で山を削ったり家の地盤を作ったりする作業はプロに任せましたが、その他ほとんどの作業は2人で行ったと言います。

憲治さん
「例えば石垣を作っても、次の日には崩れとるわ、いうようなこともあったし。そうすると次の日は半日もうやる気が起きなかったり・・・いろんなことありました」

大雨で倉庫やガーデンが水没する被害も、幾度となく経験しました。大変な日々でしたが、やってきたことが少しずつ形になっていくのが楽しかったそうです。

山口市から移住・野の畑みやた農園 宮田喜美子さん
「この絶景と、ご主人が開墾から始めてという物語、ここまでの道のりに感動しますよね」

自然農法で年間100種類の野菜を育てている宮田さんは、オープン当初からリバージュと契約しています。

広島から移住・栗原さやかさん
「お野菜お届けに上がりました」

店の野菜のほとんどは農薬を使わずに育てている、町内の3つの農園などから仕入れています。みんな移住者仲間です。

憲治さん
「やっぱり苦労しながらお互いにここへ来てのいろんな悩みやらやっていきよることが、ちょっと似通ったところもあったり、こういう時どうしてる?ていうような話も」

広島から移住・森川農園・森川史子さん
「こんにちは~いつもありがとうございます。きょうはパセリ、それからバジル、いい匂い、いい匂いです」

実際に嗅いでみると…

関谷アナ
「ん~!すごい、いい香り!」
森川さん
「うち無農薬・有機肥料で育てているんですよ。そうするとやっぱ味が濃いですよね、何でも。味とか香りが濃いいような気がします」

新鮮な無農薬野菜。吉田夫妻のこだわりはこれだけではありません。

憲治さん
「自分でおいしいものを作りたい。やっぱりベーコンもそうだと思う」

カスクートなどに使っている自慢のベーコンも、店が休みの日に1週間かけてじっくり仕込みます。

憲治さん
「(出来栄えは)いいですね!本当僕の好みの色になっていますね。こんがりキツネ色言うよりも、しっかりきつね色に」

ありとあらゆるものを自分たちで作っている2人。毎年12月から2月にかけては長い休みに入り、施設の大改造を行っています。去年の冬は、建物の裏に遊歩道を整備しました。

憲治さん
「(Qあそこに唐突にドアがあるんですけど?)あれはですね、まぁどこでもドアを模した、リバージュドアと言ってますけども」

いわゆる“SNS映え”アイテムです。

ドアから出てくる姿を撮ったり、枠を額縁のようにして海岸の写真を撮ったりできます。

毎年、少しずつ進化していくリバージュ。それを楽しみにしているリピーターも多いと言います。

憲治さん
「最終的に展望台いうことも話があるんですが、これは家族会議です、ふふふ。まぁだからどうなるかわかりませんけれど、まぁ何年先になるかわからないです」

とりあえず遊歩道をいけるところまで延長し、その間に美保さんを説得するんだとか…。その遊歩道沿いにはアジサイが植えられています。

憲治さん
「高木にはこっちずっとモミジの山にしたいと思って、反対側の山がもうサクラの苗木をかなり植えたんですね。あちら側がサクラの山で、こちらモミジの山」

四季折々の景色が広がるカフェにしたい。夫婦の思いがつまったリバージュの進化は、これからも続きます。

憲治さん
「自分たちが気ままにちょっとずつちょっとずつやっていけることをやって、皆さんと一緒に楽しんでいけるような店ができりゃいいなっという、ただそれだけですね。それともう1つはこの自然をうまく利用して、自分たちも長生きしたいな」


ガーデンカフェリバージュ
営業日:土・日・月曜、祝日
営業時間:午前11時~午後5時
問い合わせ:0820-80-4155
(12~2月は休み・2022年の営業は11月28日まで)