青森県の最低賃金を巡る議論、異例の展開となっています。21日の審議会では引き上げ額について意見がまとまらず、来週、異例の7回目となる専門部会が行われる予定です。
青森地方最低賃金審議会は21日、6回目となる専門部会を開きました。
青森県の賃金は現在953円ですが、厚生労働省の中央審議会は7月、青森県の引き上げの目安は「64円」としました。
目安通りに引き上げられれば、上げ幅は過去最大で初めて1000円を超えることになります。
21日の専門部会で労働者側は、80円の引き上げを主張したのに対して、使用者側は42円で双方の額に大きな差があるとして、決定は先送りとなりました。例年、5回目の専門部会までに意見はまとまってきましたが、21日の6回目でも調整がつかず、7回目の部会開催という異例の展開になっています。
青森地方最低賃金審議会 石岡隆司 会長
「議論を尽くして、両氏が全員一致で賛成できるような結論を導ければ。いまは議論が煮詰まるところまで至っていない」
青森労働局によりますと、7回目の専門部会は来週28日に行われる予定で、ここで結審した場合、新しい最低賃金は早ければ10月29日から適用されます。
最低賃金の1000円超えは1つのボーダーとなっています。青森市の飲食店でも審議会の議論と同様、労使双方から経営環境や生活の厳しさを訴える声が上がりました。
白川舞 キャスター
「こちらの店では時給1000円で従業員を雇っていますが、今後の議論の行方を注視しているようです」
青森市の中国料理店「広州」では、2025年に入り、時給をそれまでの980円から1000円に引き上げました。
市内のアルバイトの求人が「時給1000円」からに設定している店が多いことを反映したということです。
従業員は
「青森で暮らしていても大都市圏に比べて生活費が特別安いということはないので、賃金は同じくらいないと生活は厳しい」
県の審議会で1つのボーダーとなっている1000円を超えれば、経営者側も厳しい選択を迫られます。
中国料理 広州 伊川佳孝 代表
「働く人にとっては、賃金上昇は魅力的でやっていかなければならないことだと思う。しかし、色々なものが値上がりしている。今、政府のほうでやらなければならないことは何なのか考えてもらいたい」
最低賃金の引き上げ議論を労使双方が厳しく見守っています。