<気象予報士 坂本くるみアナウンサーによる解説>

今日21日午前、九州の西の海上で台風12号が発生し、午後5時過ぎに鹿児島県に上陸しました。

熊本県は明日にかけて激しい雨が降る恐れがあります。台風12号は現在、鹿児島県の日置市付近にあり、ゆっくりとした速さで東に進んでいます。県の南部はすでに風速15m以上の強風域に入りました。

今後は鹿児島から宮崎に進み、明日は再び熱帯低気圧に変わる見込みです。

台風が上陸した鹿児島県では雨風ともに強まり荒れた天気となっています。いちき串木野市付近では午後2時30分までの1時間に約120mmの猛烈な雨が降ったとみられ、記録的短時間大雨情報が発表されました。

天草地方などは台風の強風域に入っていて、午後2時ごろに最大瞬間風速18.3mを観測しています。

人吉市はこの1時間に2mの降水量です。大雨の中心は鹿児島ですが人吉にも雨雲がかかってきています。

熊本市は今のところ台風が近くにある感じはしませんが、明日にかけて雨の降り方に注意が必要です。  

連日、動きが遅い熱帯低気圧と伝えてきましたが、海面水温が高い海の上にゆっくりといる間に、エネルギー源となる水蒸気が補給されて、やや発達し、台風になりました。

――これまでにこういったケースはあった?
過去には発生して2時間後に上陸した台風もありました。

台風になる最大風速の条件は「17.2m以上」で、先ほどまではぎりぎりその条件を満たす台風でしたが、この数時間でさらに発達し、最大風速が20mとなっています。

今回の台風は、明日の午後には再び熱帯低気圧に変わる予想です。

上空の風が弱く、この後も時速10キロに満たない「ゆっくり」した速度で東へ進む予想です。

今回の台風は、『風よりも雨』に、そして少し長引く影響に注意が必要です。

今後の見通し

台風12号の最接近は明日22日の午前ですが、このタイミングで雨や風が最も強まるわけではなさそうです。

強風は明日の昼前にかけて、雨は、最接近の後、明日の夜にかけてまで 激しい降り方になるところがありそうです。

先日の大雨で土砂が崩れている場所などには近づかないようにしてください。