今回は北中城村の“名物”になってほしい!という願いが込められて誕生したまんじゅうを紹介します。甘さは控えめです!

今井記者
「きょうは北中城村の名物スイーツを求めて、こちらのお店に行ってみたいと思います」


訪れたのは世界遺産・中城城跡から車で5分ほどに位置する”城まんじゅう”。創業は2008年と店の歴史は浅いものの、看板には”名物”の文字が堂々と。

Qおまんじゅう以外にも、いろいろ置いてあるんですね
「アーサが(北中城村の)特産品なので。アーサを使った商品をと思って」

店頭に並ぶのはアーサ入り・酸味のきいた稲荷ずしや重箱など。でもお客さんの一番人気は!

買い物客
「いつもの様に、まんじゅうを1種類ずつ5個入れて」
「においもいいし。溢れるくらい中身が入っているのアンコちゃんが」
「甘さが控えめで、チキンの唐揚げともよく合うし、お寿司とかともよく合います。それで好きです」

甘すぎず小豆の存在感が感じられる餡と、モチモチした薄めの皮に魅了されて。訪れる客のほとんどがリピーターだそうです。


”城まんじゅう”の発案者 金城睦美さん
「もの作りは大好きでした。無いものから作り上げていく事は好きです」

”城まんじゅう”の発案者・金城睦美さん。村内外で愛される味は、夫婦二人三脚で作り上げた味だといいます。睦美さんは、優しい甘さをまとい、モチモチ触感の生地を開発しました。
餡をつくるのは夫・恒雄さん。小豆を感じられるよう手作業でじっくり煮詰めた餡子は甘さ控えめ。

もともとは沖縄市で電器店を営んでいた金城さん夫婦。夫・恒雄さんが体調を崩したのを機に15年ほど前、世界遺産・中城城跡のある閑静なこの地域に越してきました。早々に隣近所から意外な”言葉”を耳にします。


”城まんじゅう”の発案者・金城睦美さん
「”北中城には名物はない”と隣のおばちゃんが言ったので。やっぱりとても寂しいと思います」

地元の世界遺産中城城跡に似つかわしい名物を作りたい。睦美さんが閃いたのが”まんじゅう”でした。着想は夫婦で首里城にいく度に立寄っていた”山城まんじゅう”のイメージでした。

Q山城まんじゅうで勉強した?
金城睦美さん
「何もないです。”お饅頭をください”という会話だけです。ただそこから工程が見えますよね。素材がただ、水と粉だけだったから。それを見て私は簡単にできるんだと」

シンプルに見えた”粉”でしたが、どんな素材がどれくらい配分されているのか。イメージを形にするのは容易ではありませんでした。
モチモチ感を出すための素材、タピオカ粉にたどり着くまでに3か月。理想の配分を見つけるまでに更に3か月。

Q完成した瞬間どんな思いでした?
「もう解放される。すべて解放される感じ」

一方の餡子はー


金城恒雄さん
「アンコは割と早く仕上がったと思います」
Qなぜアンコは早かった?
「グーグル検索で、いろんな情報を集めてやった部分が大きいかと思います。元電気屋として」

餡はネットで検索した膨大な情報を起点に。生地はインスピレーションを起点に。夫婦ともに度重なる試作の末に完成したのが城まんじゅうでした。
そのまんじゅうを、金城さん夫婦が理想とした”山城まんじゅう”6代目に食べてもらいました。

山城まんじゅう
「おいしいです。そんなに甘くなさすぎず、いい感じですね。いい感じで(山城まんじゅうの)影響を受けてくれているのであれば嬉しいなと。やっぱりそういう方がいてくれるだけで誇りっていうか」

名物にしたいという思いのほかにもう一つ、城まんじゅうには願いが詰められています。



金城睦美さん
「中城城のどこか一角で年を取ってからでいいからホカホカのまんじゅうを売れたらいいなと思います」

北中城村を訪ねると地元の名物になってほしいという夫婦の情熱から生まれたまんじゅうがありました。