この夏は連日、厳しい暑さが続いています。11日には九州で大雨被害が出るなど、天候不順で農作物の生育が心配されています。広島県内の市場と農園を取材しました。

25年7月の全国の平均気温は平年に比べ2.89℃高く、観測史上最高を更新。広島県内でも35℃以上の猛暑日を連日各地で記録しました。また、先週熊本を襲った大雨災害では、数百か所の田畑や農業施設が浸水などの被害を受けました。こうした天候不順は農作物の生育や仕入れにどう影響しているのでしょうか。

午前6時の広島市中央卸売市場です。ナスやキュウリなど新鮮な夏野菜が並び、競りも活気づいているように見えますが…。

仲卸業者
「休み明けにしては全然ない。雨の影響もあるし、その前の猛暑も要因」

青果担当者によりますとナスやキュウリ・トマトなどの入荷量は平年より少なく、卸売り価格は平年並みか少し高いくらいだということです。野菜の見た目からも各産地の異常を感じ取ることができるといいます。

7月の平均気温が平年より4.5℃高かった北日本から届いた大根は…。

広島市中央卸売市場 小山隆之取締役
「これは北海道産の大根です。本当は真っ白じゃないといけないが、黒くシミになっているところがあるので、猛暑の影響が出ている。生産者が苦労して作ってくれているので理解を求めて、売っているのが現状」

小山さんは天候不順が起きた際に、入荷量や価格で市場に影響が出始めるのは「1か月~1か月半後」で、7月の猛暑や九州の大雨被害の影響は、秋に向けて拡大する可能性があると指摘します。

広島市中央卸売市場 小山隆之取締役
「九州の生産地は現時点で遅れるという話も出ている。24年同様野菜が高くなる可能性が高い」