広島市の郊外で、クマが出没した痕跡が見つかりました。

安佐南区と警察によりますと、広島市安佐南区沼田町の阿戸地区で、26日夕方、住宅の裏にある柿の木が折られているのを住民が見つけました。27日、区役所の職員がクマレンジャーとともに現地に向かったところ、柿の木にはクマの爪痕がありました。柿の木の近くには、クマのフンも落ちていたほか、クマのものとみられる足跡も残されています。

内藤さんによりますと、阿戸地区でクマの目撃情報が頻繁に寄せられるようになったのは、10年ほど前のことでした。

町内会長 内藤正芳さん
「以前はこの戸山・阿戸地区も松の木が沢山あって、何十年前は松茸がすごい採れた時代がある。そういう時代にはみんなが山に入るので、クマも警戒していたかもしれない。やっぱりクマが増えてくれば山に入れないしね。そういう面ではやっぱり、山の中が荒れてきているのかもしれない」

いまは、山に入って作業をする住民はほぼいないそうです。山が荒れてきて食べ物がなくなり、カキなどを求めてクマが里に下りてきている…というのが、内藤さんの見方です。

阿戸地区では、ここ最近、毎年クマの出没情報が寄せられていて、通学する児童や生徒は、クマよけの鈴をカバンにつけて登校しています。

安佐南区は住民への被害を防ぐため、28日午後、箱わなを3つ設置しました。箱わなは鉄製で大きさは高さと幅が55センチ、長さは180センチで、しばらくのあいだ設置されます。

区は住民に対して「クマはカキやクリの実を求めて降りてくるので、できる限り回収して欲しい」「生ゴミや野菜くずは漁られる可能性があるので、当日の朝に出して欲しい」などと呼びかけています。

※内容を更新しています。