三方を海に囲まれた山がちな地形の能登半島では、2024年1月の地震で集落の孤立が相次ぎました。道路が寸断されても物資を運べるよう、石川県珠洲市で15日、国内で初めての「空飛ぶクルマ」の試験飛行が行われました。
16基のプロペラを回転させ力強く飛び立った空飛ぶクルマ「EH(イーエイチ)216L(エル)」

全長はおおそ5.7メートル、重さは400キロほどあり、あらかじめコースを設定すれば自立した飛行が可能です。珠洲市三崎町で医療従事者や国の職員などおよそ50人が訪れ、国内初の試験飛行を見守りました。
能登半島地震では、ドローンを使った物資の輸送も行われましたが、一度に運べる物資は重さ50キロほどに限られます。今回の機体は、一度に最大250キロまで運ぶことが可能で、離島や中山間地への大量輸送も期待されます。
見学した人「風がすごかったですね。ヘリ並みの風が来るんだなという印象でした。まだまだ多分先は遠いとは思うんですけど、土砂とかの運搬をやっている職種なので。今後未来につながる輸送の一つになるなら、良い情報を得られたかなと思います」
そして、医療関係者も期待を寄せます。
看護師「まだ検証段階だと思うんですけれども、私たち医療チームが現場に入って行った時にいま何か必要な物資ですとか運ぶところで今後コラボレーションできれば良いな」「150キロあれば、医療に必要な他に支援が必要な物資も運べると思いますので、とても災害時には使えるかなと思います」

一般社団法人MASC 坂ノ上博史理事「被災地でもある能登の地域・珠洲市で初飛行できたと、非常に意味深い取り組みだったと思います。観光用に使えるような機体、あるいは長距離を飛ぶ機体、さまざまな空飛ぶクルマが出てくると思いますので、ここ能登の地から新しいチャレンジを進めていきたいと考えています」
今回の試験飛行を主催した岡山県の法人は、空の物流や移動手段として3年後の事業開始を目指しています。