夏休みの帰省や旅行で自然豊かなエリアに出かけ「都市部より虫が大きい!?」と感じた人がいるかもしれません。

筆者(岡山市在住)は、瀬戸内海のとある島に取材に出かけ、みかける虫がすべて大きいことに気づきました。

蚊が約1.5倍。ユスリカも約1.5倍。
そして、取材先のトイレで遭遇したカマドウマ(通称 ベンジョムシ)も約1.5倍。
(本当にトイレにいることにも驚きました)

昆虫の生態に詳しい東洋産業の大野竜徳さんに聞きました。

田舎の虫は大きい?

ー自然豊かな地域では、虫のサイズが大きくなるのでしょうか?

(東洋産業 大野竜徳さん)
「そうですね。私も久しぶりに少し涼しい田舎へ帰り、しみじみ思うことがありました。やっぱりこっちは虫が多いしデカい!

普段、生き物が少ない都会暮らしの目には、自然が豊かな場所の虫は多く、そして大きく見えるものです。

ーエサがたくさんあるからよく育つのでしょうか。

「うーん、それも一因かもしれませんが、理由はそれだけではありません。実は同じ虫に見えても、そもそも別の種類であることが少なくないのです」

「私が苦手な虫のひとつ、ゲジゲジ。正式名称は『ゲジ』で、湿った場所で見られる脚長のムカデ風生き物。人を咬むことはなく、ゴキブリなど他の虫を食べて暮らします。

脚は15対30本で体長は最大25mmほどですが、脚込みだともっと大きく見えます」

「一方、山間部を好むのが『オオゲジ』。体長は40〜80mm、脚を広げると10cmを超えることもあります。

見慣れたゲジと並べると、まるで別物の迫力です。

私は夕涼みの散歩中、橋の欄干近くで出会い、思わずのけぞったことがあります。ちなみに、日本でよく見られるゲジ類はこの2種だけ。

見分けられればあなたも“ゲジマスター”です」

ーそもそも種類が違ったのですね。

生い茂る緑…サイズの大きなムシを育む?