■ 受け入れ態勢は着々

受け皿となる観光地でも新たな取り組みが始まっています。
2015年に県内初の世界遺産に登録された三角西港(みすみにしこう)。登録当初は年間50万人が訪れていましたが、2021年度はその半数近くにまで落ち込みました。


宇城市観光物産協会 藏田 旭さん
「(宇城市は)熊本の2大観光地である阿蘇と天草のちょうどその中間にあって、なかなか立ち寄って楽しんでもらえるものがないので」 


そこで考え出したのがより長い時間滞在して楽しんでもらう体験型のツアー。11月17日、そのモニターツアーが行われました。


まずは、カヤックを使っていつもとは違う目線から世界遺産を楽しみます。 


宿と夕食会場は港から歩いて数分の場所にある旧三角簡易裁判所、通称「法の館(ほうのやかた)」です。文化財の建物は実写化アニメ映画のロケ地にもなった「聖地」。


地元の食材を使ったコース料理を楽しみます。


モニターの1人で通訳を担うマクダーモット・リリーさんは宇城市の魅力を再発見したといいます。

カナダ出身 マクダーモット・リリーさん
「やっぱりカヤックに乗ると全然違う風景が見えるので、それはすごくよかった」


リリーさん、実は熊本の魅力を世界に発信している1人です。2016年、熊本地震直後の嘉島町(かしままち)に外国語の指導助手として来日し、今は熊本市の観光マーケティング会社で海外向けにSNSでの発信などを行っています。


マクダーモット・リリーさん
「山の景色とか、あとは海もあって、美味しい食事もあって、それが街中から1時間以内に行ける。魅力的なものが大体あるっていうのが熊本の魅力だと思います」

イスラム教徒の男性に対応したメニューを解説するリリーさん。


太刀魚の料理に満足してもらえたようです。


マクダーモット・リリーさん
「もっとPRしていきたい。それが一番の課題だと思う」

藏田 さん
「体験した方々がすごく楽しんでくれたので、まずは地域の人にこういうのを体験してもらう取り組みをやっていったらいいかなと思った」 

インバウンドの回復に希望を見出す観光地。熊本の景色はどのように変わっていくのでしょうか?