暑い夏におススメです。
子ども向けなのに思わず背筋が凍るような歌ばかりを集めたちょっと変わった企画展が鳥取市で開かれています。
鳥取市の童謡・唱歌とおもちゃがテーマのミュージアム「わらべ館」で開かれているのはその名も「こわいうた展」。
館内の一角をおばけ屋敷風にして歌詞やメロディーが怖い童謡や唱歌などおよそ60点が展示されています。
例えば、みなさんよくご存知の「桃太郎」。実は歌詞が6番まであって5番の歌詞には…
「おもしろい おもしろい
のこらずおにを せめふせて
ぶんどりものを えんやらや」
「おもしろい」と言いながら鬼退治をする桃太郎、ちょっと猟奇的?
童謡「てるてる坊主」は、天気にならなかったら
「そなたの くびを
ちょんと きるぞ」との歌詞。
そして、もっと怖いのは…北原白秋が作詞した「金魚」。
「母ちゃん、帰らぬ、さびしいな
金魚を一匹締め殺す」
留守番中の子どもが母親が帰ってこない寂しさと苛立ちから金魚を殺すという「無知ゆえの残酷さ」をえがいているということです。
これらの怖い歌などが、薄暗い中、古い校舎や恐ろしさを演出するオブジェなどとともに展示されていて、来場者は冷や汗をかきながら楽しんでいました。
わらべ館 須田優花さん
「1番だけは歌詞を知っていても、4番、5番、6番になっていくと実はちょっとこわいことが起こっていたりすることもあるので、そのようなことも注目していただけたらと思います」
また、週末などには関連イベントも開かれています。この日、会場内の木造教室で開かれたのは怖い話のおはなし会。
鳥取の民話などの語り部、御年101歳の中嶋須美子さんが話したのは
「幽霊の飴買い」「徳尾の大入道」
「馬子と山姥」という3つの怖い昔話です。
徳尾の大入道
「それでは、『これくらいで』と言ったかと思うと、みるみるうちに雲を突くような大入道になって、眼光鋭く侍さんをにらみつけて今にも飛びかかろうとするだって。さあ侍さん、あんまり突然だったもんだけ、もうびっくりこいて」
語り部 中嶋須美子さん
「こわい話でも、最後には聞いてくださる方がほっとした気持ちを持たれるように語りたいものと思っていました」
また、中嶋さんのひ孫で噺家の「柊亭かき氷」こと梅澤柊太さんも共演し、落語「ろくろっ首」披露しました。
ろくろっ首
「どうしたよこんな夜中に。おじさん伸びたよ伸びた。伸びた?首が、首がすーっと伸びたんだよ。伸びたってそれはお前も承知のはずだろ。でも初日からあんなに伸びると思わない。初日も千秋楽もないんだよさっさと帰れ」
噺家 柊亭かき氷 梅澤柊太さん(小5)
「ちょっと怖がってもらいたいんですけど、大半は笑ってもらえればいいかなと思ってやりました」
参加者
「怖くてドキドキしました」
「怖い中にもおかしみがあって楽しかったです」
わらべ館 須田優花さん
「この夏とっても暑いので、この『こわいうた展』に来ていただいて、こわい歌を見ながら気持ち的にも涼んでいただけたらいいなと思います」
この夏、わらべ館でヒンヤリ体験を。
この企画展は9月16日までで、8月16日には「怖い紙芝居」が開催される予定です。