ただ、選挙戦となったきっかけがこれまでとは大きく異なります。ことしの6月定例会で公文書改ざんが明らかとなり、石垣市政では史上初となる市長の不信任案が可決され、中山さんは失職しました。

そうした中においても、中山さんはこれまで自身が手がけた政策に強い自信を持っています。

▼中山義隆候補
「私はこれまで4期15年間市長を務めさせていただきましたけれども、これまで政策を掲げてそれを実行してきた結果が残っていると思っています。任期中に石垣と台湾の貨客船の航路の開設とか、ゴルフ場の着工とか、台湾への石垣牛の出荷の準備が整えられました」
「石垣と台湾の距離が270キロしかない。沖縄本島那覇までは400キロあります。これを台湾の航路を開設することによって、台湾から安い運賃で物資を輸入することができる。それができれば、石垣の物価高を下げる効果があると思っています」
「ここから先5年10年どころではなく、もう50年先の石垣を見据えた事業ですので、これは何としても成功させなければならないと思っています」

一方の砥板さんは、中山さんの4期15年の長期政権強く批判します。

▼砥板芳行候補
「長期政権をこのまま本当に継続させていいんですか、というところ。議会に対して日付を改ざんした議案を出して責任を問われた不信任さえも、次の長期政権への延命の策にしてしまう」
「台湾への貨客船の航路開設についても反対する理由として、まず公共性と採算性、経済的な合理性が全く見いだせない事業だと思っています。もうすでに民間企業、民間ベースで人流物流は確立されていますので、そこに税金を投入して貨客船を就航させるというのは、完全に民業圧迫になってくると思います」

インタビューの最後に2人が描く4年後の石垣の姿について聞きました。

▼砥板芳行候補
「本当に必要とされている市民生活の足元に、必要な税金の使われ方というものを実感できるようにしていきたい。この島で生まれて、またこの島に来て、この島に住んで本当に良かったと思える石垣市を実感していただけるように頑張りたい」

▼中山義隆候補
「アジアに向けてのさまざまな経済活動が進んでいきます。高所得のエリアともつながる形になりますので、石垣市全体の産業の底上げと、高付加価値の商品の造成ができると思っていますので、当然市民の所得が上がっていき皆が心も経済も豊かになるような、安心して過ごせる島を作っていきたいと思っています」

2人が描く石垣市の将来に有権者はどのような判断を下すのか。石垣市長選は今月17日投開票を迎えます。