海外企業注目のノンアル日本酒
そして、福岡の老舗酒蔵が作ったのはノンアルコールの日本酒。

福岡県古賀市の「翁酒造」が手がけた「一灯」は、大吟醸を仕込む際に使うコメを原料に、高級日本酒と同じ技法を生かして作り上げました。
創業260年で、初めてのノンアル挑戦です。

RKB 武田伊央 アナウンサー
「色はちょっと白濁しているんですね」
翁酒造 安河内重人 社長
「きれいに澄ましてしまったこともテストであるんですけどね、こちらのほうがお酒っぽさを演出する上でいいんじゃないかと」
RKB 武田伊央 アナウンサー
「香りは日本酒ですね。そのもの。華やかさと甘みが伝わってきます」「いただきます」「すごく飲みやすいですね。すっきり。」
コロナ禍で売り上げが低迷し、次の一手を考えていく中で生まれたというノンアルコール日本酒の「一灯」
苦しい状況を知った知人が経営する北九州市の食品会社が商品化を提案し、3年前に共同で開発を開始。
試行錯誤を続けながら、2025年4月、インターネットで販売を開始しました。
すると思わぬ反応が…


共同開発者 ルナレインボー 赤瀬弘憲 社長
「海外のロールスロイスっていう高級車の新車発表会のイベントドリンクに採用いただいたり、アメリカや中東の方への海外輸出のお声がけをすごくいただいたりだとか」
また東京・銀座にオープンした海外の高級宝飾店でも、商談中のドリンクとして採用。
現在、商品は完売していて、今後は海外での販売に力を入れたいと話します。

翁酒造 安河内重人 社長
「入ってくる声や需要というのは、ものすごく新鮮なものを感じましたね。これからそういう時代が本当に来るんだなと。全部がそれに代わるとは思えないけどそういう時代が必ず来るような気がしてならないのは本当のところですね」
背景には新しい価値観
ノンアル市場が拡大する背景には、「ソバーキュリアス(SoberCurious)」というライフスタイルの世界的な広がりがあります。
“ソバー”は「しらふ」、”キュリアス”は「好奇心がある」。つまり、“飲めるけれど、お酒に頼らない楽しみ方をしたい”という新しい価値観です。