約40年にわたって展開された岡山県鏡野町の苫田ダム建設阻止運動。闘争の歴史を今に伝える「団結の碑」の周辺環境保全を求め、市民団体が鏡野町に要望書を提出しました。

(苫田ダム阻止運動の資料展示会実行委員会 武田英夫代表)
「苫田ダム阻止のシンボルとして保全することが重要だと考えさせられました」
きのう(6日)、ダム建設阻止運動を支援した人らでつくる市民団体が鏡野町の瀬島町長に「団結の碑」の保全を求める要望書を手渡しました。団結の碑はダム建設阻止を掲げる旧苫田村の住民がその意志を示そうと1958年に設置したもので、決意表明と共に全村民の名前が刻まれています。
現在はダムの底に沈んでいる旧苫田村に建てられたものですが、ダムの建設が始まったことでそのほとりに移設されました。市民団体は案内板の設置や草刈りなど石碑の周辺環境を整えることで、闘争の歴史を風化させることなく後世に伝えていくことを求めています。

(苫田ダム阻止運動の資料展示会実行委員会 武田英夫代表)
「行政というものは理不尽であってはならないと思うんですよね。個人個人が生きていく権利を持っているわけですし。強い権力が蹂躙するということがあってはならないし、昔そういうことがあったけれども『若い世代はそういうことはさせないよ』と、そういう思いを引き継いでくれればと思っています」
要望を受けた瀬島町長は「前向きに検討する」とコメントしています。